リバイバル?
8月末から9月頭にかけて、私としては信じられない奇妙な現象が起こった。
簡単に言えば逆転現象である。
簡単に言わなければ、あなたはもう世間から忘れられているはずなのに、現役バリバリに働いているやつのプライドを傷つけやがって。でも、なかなか大したものだ。老いてますます盛んとは、あなたのためにあるような言葉で飲んでないのにニンニク卵黄効果、ってことである。
どうしてこうなったのか、まっこと不思議。
無関心を装えば自然の摂理ってことになるのだが、じゃあ自然っていったい何だ?と自分で問題提起し、セルフツッコミをしたくなる。
毎日更新しているブログが月に2度しか更新しないブログに負けたのだ。ランキングで。
正社員がパート従業員に、准教授が非常勤講師に足を引っ張られたようなものだ。
読者のみなさんが古いものを邪険に扱わず、大切にしてくれているとしたらうれしいが、毎日ツウ(「つるの恩返し」のことアルネ)のように寝る間も惜しんで作り上げている“新・読後充実度”が負けてしまったとなると、悪夢とまではいかないが、複雑な男心になるのは事実である。ツウよりも「アリとキリギリス」のキリギリスが幸せになったようなものだ。
考えられる理由はあんまりないが、“新・読後充実度”の記事内では旧ブログである“読後充実度”へのリンクを少なからず貼っているので、そのために旧記事の露出が増えた、ってことはあるかもしれない。
しかし、これとて“新・読後充実度”になってからもう2年以上経つので、明快な答えとは言い難い。
給湯器のリモコンのケーブルのように謎が残る(←のリンクは明日から有効)。
旧ブログ(つまり、いまあなたが目にしているこれだ)も月に2回という継続性は保っているものの、毎日更新の記事がこうなってしまうと、浪人中に受験用模試を添削してくれていた通信教育会社が掲げていた“継続は力なり!”って言葉はなんだったんだろうと八つ当たりのひとつもしたくなる。
もっとも、あの通信教育、継続できずに途中でやめちまったけど、継続してても力にならなかった可能性が、これを機ににわかに浮上してきた。
シュニトケ(Alfred Schnittke 1934-98 ロシア→ドイツ)の「夏の夜の夢,ではなくて((K)ein Sommernachttraum)」(1984)。「夏の夜の悪夢」と訳されることもある。
この大オーケストラのための作品は、私がシュニトケの作品と出会うきっかけとなったもの。1年前にも取り上げている。
だから、別な曲。
リャードフ(Anatol Konstantinovich Liadov 1855-1914 ロシア)のバラード「古い時代から」Op.21b。
この曲の英語名は“About older times”と書かれていたり“From days of old”と書かれていたりで、どっちが一般的、あるいは正しいのかわからない。原題がロシア語なわけで、どっちも一般的かつ正しいのかもしれないし……
「古い時代から」は1889年に作曲されたピアノ曲(Op.21)。
それをリャードフ自身が管弦楽編曲したものを私は聴いている(ごくたまにだけど)。管弦楽編の作品番号が21bである。
サウンドは色彩的で、民謡っぽいメロディーも悪くない。
けど、心を虜にさせられるような曲でもない(私には)。
だから人気がないんだろうけど……
私が持っているのはシュピラ指揮暮らすの安く、おっとどっこい西友じゃあるまいし、クラスノヤスク交響楽団による演奏。
2001年録音。ブリリアント・クラシックス。