いや、無理もないでしょう
「いなかっぺ大将」というマンガがあったことを知っている人は、少なくなくはないだろう。
マンガ自体は知らなくとも、「大ちゃん数え唄」はその後もアレンジされて歌われているのを聴いたことがあるので、そちらの方は知っているという人は数多くいることもないかもしれない。
オリジナルの「大ちゃん数え唄」は天童よしみがまだ吉田よしみという名のときに歌ったものだ。ということは、天童よしみはいまおいくつなんだろう。それを数えている人はいるだろうか?
大ちゃん数え唄というくらいだから、主人公大ちゃん。
風大左衛門という。
このいなかっぺのだいちゃんが、あるとき西洋人の自宅に招かれたときのこと。
トイレに入ったはいいが、使い方がわからない。
そう、洋式便座だったのである。ウェスタン・スタイルってやつである。
大ちゃんは四苦八苦したあげく……
間宮芳生(Mamiya,Michio 1929- 北海道)の「合唱のためのコンポジション第4番『子供の領分』(Composition for Chorus 'Children's Field')」(1963)。
ここに書いたように、間宮が失われつつあるわらべうたを後世に残そうと書いた曲。
児童合唱と管弦楽の作品で5つの楽章からなる。
多くのわらべうたが素材として用いられており、第4楽章は“数え唄”である。
私は、子どもたちが歌うわらべうたとオーケストラの響きが見事に融合しているこの曲がたいへん好きで、東京勤務時代に高関健指揮の都響の定期演奏会で生で聴くことができたのは、実に幸運だった。プレトークで生マミヤさんを見ることもできたし(プレトークという儀式を私は好まないが、作曲家自らが語ってくれるのは価値あることだと思う)。
ただ、この演奏会の感想を書いた過去記事が見当たらない。私がブログを始める前のことだったのかもしれない。
井上道義指揮東京都交響楽団、東京放送児童合唱団のライヴ盤がベスト。
1996年ライヴ録音。フォンテック。
う~ん、安楽無香空間
私は小学生に上がる前から父の勤務先の社宅に住んでいた。
最初に住んだのは木造平屋。浦河というしばしば強い地震に襲われる土地だったので、そんなときは家が崩れるんじゃないかと思った。実際、震度5に襲われたとき、まったく同じ造りの隣の家が基礎から大きくずれた。
小学校4年生のときに新しい社宅に引っ越した。
2階建ての集合住宅である。
そこが洋式で、なんて楽ちんなんだろうと感激したものだ。おまけに水洗だから臭わない。
これなら便座に座りながらカレーライスを食べることだって可能だと思ったくらいだ。
ただ、当時は洋式便座がまだ珍しい時代。
水のタンクにはマッチ棒を組み合わせたような人の絵が描いてあって、男の人のおしっこの場合はこうやって立ってする、ビッグのときはタンクを背にして座ってブリるということが、視覚的にわかるように説明してあった。
なのに、やっぱりいまでも使い方がわからない人もいるようだ。
現在の新千歳空港内の、とあるトイレ。
どうやら主に非西欧系外国人を対象にしているようだ。
絵はずっと絵らしくなっているが、これを見てとてもなつかしく思った。
でも、この禁止例の絵を見ると、こういうスタイルをとるのはかなり体幹がしっかりしている上に脚の筋力が相当ないと困難だ。
仮にその2つの条件をクリアしたとしても、この絵によるとブツは便器外に落ちるし……
トイレの個室からシャッター音がしたら、もしや盗撮ではと思われかねないため(通常なら盗撮目的以外で個室でシャッターは切らないだろう。自撮りするってことも考えられなくはないが)、焦って撮った。
だからぶれててごめんなさい。
えっ?“蹲踞”?
“そんきょ”って読みます。力士が仕切りのときにとる姿勢です。