早起きし(といってもいつも並み)JR高松駅に着いたのは午前11時前であった。あっ、申し遅れたが、この前の火曜日は高松に出張したのである。
朝ごはん抜きで移動したので、何か食べようと思ったが、駅の2階にある飲食店はカフェ以外は準備中。もっとも開いていたとしたって、、その店が悪いわけではないが、わざわざ高松にきて『そじ坊』のそばにすることもないだろう(もう一度言っておくが、私は『そじ坊』は好きである。特に夜に飲みに行くのが)。
聞いたことのないとんかつ屋もあったが-もちろん準備中-、奥歯不足状態でカツをほおばるのはたいへんそうだ。
そんなことで、エキナカをあっさりと見捨てた私。
玉子焼きは欲してない私
こういう店なら玉子丼とか親子丼、あるいはカレーライスとかがおいしいに違いない。
が、店の前に行くと、現金しか使えないという『大衆食堂』らしさを残しているものの、それを英語表記していて、けっこうインターナショナルな感じである。
しかも朝は『朝定食』しかなさそうだ。その『朝定食』はAもBも私の望むべきものではなかった(価格にはそそられるものがある)。
私は繁華街-それは今日会議が行われるホテルがある方である-に向かった。
途中、セルフのうどん屋と牛丼屋があったが、朝昼兼の重要な食事である。落ち着いて、そしてよく噛んで食べたい。なので、パス。
なぜかドンキー気分に。無理ならせめてハンバーグを
このあたりから猛烈に『びっくりドンキー』のハンバーグが食べたくなってきた。
いや、高松に、ましてやいま私が歩みを進めていいうあたりに『びっくりドンキー』はあるとは到底思えない。あったらびっくりだ。だから、ガストでもよい。とにかく急激に洋食系を欲し始めたのであった。
たどりついたのは『兵庫町商店街』。
だが、やはり飲食店の多くはまだ準備中であった。
そんななか、小ぎれいで、店内は広そうで、まだすいているうどん店を発見。
でも王道的にうどん
ハンバーグの夢を捨て(そして前日の夜、東京の居酒屋で小ぶりな石垣牛のハンバーグを食べたことを思い出した)、その店『さぬき麺業』に入った。
まだ店はガラガラだった。私以外には女性2人組の客がいるだけだった。
テーブル席に着く。
横の壁を見ると、ドルーピーみたいな人が生気のない顔で、なんとなく(よく確認はできないが)箸の持ち方も怪しげに写っていた。
そっか。この人は『えびちくわ天ぶっかけうどん』を食べたのか。
「それじゃあ」と、私も思い立ちお嬢さんに注文した。
「親子丼セット!」
「おうどんは温かいのと冷たいののどちらになさいますか?」
「温かいの」
運ばれてきたセットは、双方がハーフサイズ。
親子丼の親は胸肉。なぜかかなりのつゆだく。
幸いにも私は箸の持ち方はきちんとしているので(それでも少し難儀しながら)食べることができたが、そうでなければスプーンが必須だろう。
感激度は高くなかったけど……
うどんの味はごく平凡。
まずくはない。しかし、以前丸亀で食べたうどんのつゆのおいしさは感激のあまりいまでは思い出せないくらいだったのに、感激するほどのものとは言えない。また、私の勝手な思い込みなのかもしれないが、さぬきうどんってもっとコシがあるのかと思っていた。このうどんはいわばやや弱腰。札幌で食べた『丸亀製麺』や『饂飩四国』のうどんのほうがずっとコシがある。
もしかすると、さぬきうどんと一口に言っても、札幌ラーメンと同じように、単純に「これだ」と決められないバリエーショインがあるのかもしれない。
ただ、この店は由緒あるようだし、なにしろ善い人か善くない人かはともかく首相までここでうどんを食べているのだ。
首相も訪問するほどの店ということは、どう考えても警備しやすい造りだったということだろう。
なお、『親子丼セット』の価格は750円。
妥当である。
募集スタッフの時給より安い。つまり1時間働けばこのセットを食べてもおつりがくる。
そう考えると、やはりあのジンギスカン定食はずいぶんと高い料理と感じずにはいられない。
全6曲からなる「ルーマニア民俗舞曲(Jocuri poporale Romanesti)」Sz.56(1915)の第2曲である。
コチシュのピアノ演奏で。
1975年録音。DENON。