201804edoage  北海道なのに江戸
 はるみではない。でも北海道の知事ははるみである。

 いや、そうじゃなくて、私は知らなかった。
 『江戸揚げ』なる、間食はほとんどしない私でも、これには手を伸ばさざるを得ない美味の極致、米菓の王の王が、北海道にしかない食べものだということを。

 本当なのか?
 いまだに信じられない。
 だってお江戸を名乗っているのだ。

 だが、考えてみれば名古屋のスーパーでも大阪の量販店でも、『江戸揚げ』を見かけたためしがない。

 先日自宅にあった-私に気づかれにくいような場所にひっそりかつ厳重に保管されていた-『江戸揚げ』を見ると、おやおやびっくり、確かに“北海道限定”と書いてある。

 なら、どうして『蝦夷揚げ』にしなかったのだろう。
 疑問は残る。

 そういえば-いまでもあるのかもしれないが-『新潟揚げ』というのが売られていたことがあった。
 岩塚製菓だっただろうか?
 新潟揚げが塩味なのに対し、江戸揚げは醤油も加わっている味わい。

201804HineriAge  横綱よりダイレクトな名に
 ところで、味としてはまったく同じではないが、『横綱』という形態の米菓と『江戸揚げ』の味は似ている。
 ただ、最近は『横綱』あらため『ひねり揚げ』というようだ(メーカーが違うせいかもしれない)。

 しかもセコマ(セイコーマート)では、PB商品が売られている。買ったことはないが、塩味ということは『新潟揚げ』寄りの味わいなのかもしれない。

 どっちにしろPB(プライベートブランド)にするぐらいだから、北海道民がいかにこういう味が、食感が、好きかがお分かりいただけるだろうと思う。

 東京にないのに『江戸揚げ』とは、ナポリにないのにナポリタン、台湾にないのに台湾ラーメン、北京にないのに冷やし中華、香港にないのにホンコンやきそば、オランダにいないのにダッチ……と同じようなものだ。

 だが、お江戸の皆さん、『江戸揚げ』はおいしいです。食べられないのが

 ところで江別市には『はまつか製菓』というのがある。
 かりんとうでは北海道ではそこそこ有名な企業である。

 先日その工場の前を通ったら、《管理地》と大きく書かれた看板が!

Hamatsuka

 あらら、倒産か?と一瞬驚いたが、どうやら札幌に集約したらしい。
 少し前にパート募集の新聞折り込みが入っていたような気もするが、ここで働いていたパートさんはたいへんね。

NutsC  あんまりお菓子はないじゃない?
 チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky 1840-93 ロシア)のバレエ「くるみ割り人形(The Nutcracker)」Op.71(1892初演)。

 ご存知の方も多いに違いないが、はつかねずみとの壮絶な戦いのあと王子になったくるみ割り人形が助けてくれたクララ(マーシャ)を招待するのが《お菓子の国》の魔法の宮殿。

 「チョコレート(スペインの踊り)」やら「こんぺい糖の踊り」などの曲があるが、考えてみれば掘他のお菓子は出てこない。あとはコーヒーやらお茶である。意外と魔法の宮殿も経済的に苦しかったのかもしれない。

 ましてや「かりんとうの踊り」なんてない。

 私が思うに、きっとロシアにはかりんとうなるお菓子はないのだろう(←読者の方はあまり真剣に考えないように)。

 仮に、101歩譲って、かりんとうに類するお菓子があったとしても、バレエの舞台にかりんとうが登場したら、「引っ込め!このクソ野郎!」と、心無い観客からヤジが飛ぶかもしれない。

  今日はロイヤル・バレエのDVDを。

 演奏はスヴェトラーノフ/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団。

 2001年ライヴ録音。OpueARTE。

 かりんとうって、久しく食べてないな。
 いま食べたら歯を損傷してしまうかもな。