価格は庶民的でなくなったが……
別にものすごく好きなわけではないけど、いや、むしろ子どものころにけっこう食べさせられたので実は好きではないのに、なかなか食べられないとなると食べてみたいなあと思う。
すっかり高級缶詰になった「さんまの蒲焼」缶詰である。
ところが先日イオンに行ったとき-TOPVALUを装ったオシキリの極小粒納豆を買ったときだ-に、メーカーは上のリンク記事の「マルハニチロ」ではなく「キョクヨー」で単純に比較はできないのかもしれないが、でも、3缶パックがなんと税別価格298円で売られていた。
これはかつての価格の優等生だったころの「さんまの蒲焼」の相場だ。
私はこの価格がいかに安いかを妻にプレゼンし、かごに投入する許可を得た。
そこかのスーパーで「これは安いな」と思った「さんまの蒲焼」缶詰はタイ産で、しかもそれでも400円以上していた記憶がある。
しかしこれは、岩手缶詰という、日本国は岩手県にある工場で製造されている。
で、食べてみた。
あぁ、懐かしい味だ。でもよい意味ではなく、ずいぶん食った味だよなぁっていう苦い思い出に近い。
私の記憶にある「さんまの蒲焼」缶詰の味より甘さ控えめ。
メーカーの違いのせいなのか、時代による味付けの変化なのかはわからないが、こちらの方が私は好きだ。
好きだが、でもやっぱり「さんまの蒲焼」缶詰そのものが、やはり私の好きな食べ物ではないってことを再確認。
前にも書いたように、私にとってこれは、何もないときにしょうがなく食べるものだったのだ。
でも、かつてのような価格で買えて味わえたことは、そして自分の嗜好を確認できてよかった。
「4つの小さな夢の歌」(1997)の第2曲である。