ドイツの“ミュージシャン”、ハラルト・ヴァイス(1949- )の作品。
この人の作品は「テキトーにつかみで」冒険精神をもって購入 したCDで知ったのだが、それがこの「Wintergesange」(ウムラウトは省略。ドイツ語表記については以下同じ)であった。
彼は作曲、ヴァイオリンを学んだが、のちにポップスに転向、その後、ドイツの劇場専属作曲家となったほか、打楽器の教授を務めた。1973年以降は作曲、音楽劇企画、映画などの分野で活躍している。
彼の音楽はミニマル・ミュージックの流れを汲んでいるが、そのパターン・テクニックを舞台芸術に反映させている。また、ジャズやロックを演奏していたときの経験や、1960年代半ばに出会ったインド音楽への関心が盛り込まれている。
この「Witergesange」にしても、メロディーラインははっきりしていて親しみやすく、民俗的でもある。その素材はどこかマーラーを思い起こさせる。全体を通じて思うのは、ヴァイスの音楽は、ただ甘美なだけではない“ヒーリング・ミュージック”のようである、ということだ。目の前には不思議な音響空間が広がり、聴くものはその中に浸らされる。
「Wintergesange」はすべてヴァイスによって演奏されている。器楽も声も。すなわち、これは多重録音によって作られた作品である。
録音はひじょうに良い。音質も左右の分離も。故・長岡鉄男氏がどこかの音楽雑誌に「優秀録音」としてこのCDを取り上げていたほどである。
「Wintergesange」が書かれたのは1984年から86年にかけてで、1986年12月に放送初演されている。曲は7つから成っており、各曲のタイトルは、
1. WiegenLied (子守唄)
2. Kasper tanzt nicht mehr (道化師はもう踊らない)
3. Versteigerung eines Traumes (夢の競売)
4. Thema fur Carolin (キャロリンのテーマ)
5. Umkehr (帰還)
6. Arie (アリア)
7. Epilog (エピローグ)
である。
終曲以外には「言葉のない歌」が入るが、曲を解釈す る手助けとしてこれらのタイトルが付けられている。それは、ドビュッシーが自作を理解する助けとし
て標題を付けたのと同じ考えだという。
全曲の演奏時間は45分ほど。
CDはWergoのSM1066-50。彼のほかの作品もそうであるが、聴いた後、不思議な感覚が残る。
♪
今朝のニュース映像の話。
民主党の菅氏が厚労省に「押しかけていった」映像が流れていた。
「これより中へは入れません」と止める厚労省職員。
ところが菅氏は「国会議員だぞ」とか「元厚生大臣だぞ」と、無理やり入ろうとしていた。
いくらなんでも、あまりにも非ジェントルマン的である。「国会議員」や「元大臣」でない私が同じことをやったなら、すぐに警備員に捕らえられるだろうし、それ以前に取材のためのマスコミなんか待機していてくれない。
でも菅氏の振る舞いは、主義主張を直談判するために役所のトップの部屋に押し入ろうとする「実力行使する変人」の突入と大差ない。(「実力行使する恋人」だったら……やっぱり怖い)。
疑惑を問いただすにしても、もっと「議員」らしく、あるいは「元大臣」らしくしてほしいものだ。パフォーマンスの要素もたぶんにあるのが見えみえだが、そうだとしたらなおさらマイナスイメージの無礼な振る舞いだった。
