伊福部昭(1914-2006)の交響的音画「釧路湿原」は1993年に作曲された。
この年の6月に「ラムサール条約」第5回締結国会議が釧路市 で開催されることになったのだが、それを記念して伊福部昭に作曲が委嘱されたのである。
この曲は釧路湿原の四季を撮影したハイビジョン映像のために書かれた作品だが、同年5月に大友直人指揮の新星日響の演奏によって収録され、6月8日にNHK札幌放送局から放送初演された(北海道地区のみの放送)。全国放送はその翌日、NHK衛星第2放送でおこなわれた。
伊福部昭は北海道大学を卒業後、林務官として釧路の隣の厚岸に赴任している。そこでもアイヌの人たちと交流をもっており、この作品にもそのときの体験が音楽的に盛り込まれている。
また、湿原の四季を描いたわけだが、この曲は夏から始まる。そして、秋、冬、春へと続くが、最終楽章に「春」を置くという構成は、北国に暮らしたことがある人ならではの着想であろう。厳しい冬を忍んでやっと待ち望んだ春が到来したという喜びは、北海道に暮らしたことがある人でなければなかなか解らない心情だと思う(ちなみにグラズノフの「四季」は「冬」から始まり収穫の「秋」で終わる)。
冒頭にホルンによって奏されるテーマが、各季節ごとに楽器を替えて現れる。また、アイヌ民族の伝承歌の旋律も用いられている。
以前わが社に研修に来たドイツの人に、この曲を聴かせたところ、「とてもすばらしい」というようなことをドイツ語で言っていた(らしい)。なお、彼女はモーツァルトをドイツの作曲家であると言い張っていた。私が「オーストリアでは?」と言うと、知らん顔をされた。
私は今後、伊福部昭の作品について何回かにわたって書いていくつもりだが、当初はこの曲は最後の方に紹介するつもりであった。というのも、30分ほどのこの作品1曲しか収録されていないのに、このCDのお値段は最高級品並みで、お買い得とは言えないからだ。
しかしながら、CDの在庫が少なくなってきているようなので(このCDがリリースされてから15年近くになる。もう廃盤になっているのだろう)、先に紹介することにした。
CDはフォンテックのFOCD9057。演奏者は前述したとおり。
タワーレコードではすでに取り扱っていないが、新星堂には在庫がある。
(右の新星堂のバナーをクリックし、クラシックを選択。クラシック検索をクリックし、作曲者名に伊福部昭と入力すると、2ページ目にこのCDが掲載されている)。
「買っときゃよかった」と悔やむ自信のある方は、今のうちゲットしたほうが良いだろう。
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ここ1ヶ月で、私は生命保険の見直し、切り替え手続きをしている。
その、たいした苦労とは言えないまでも、すんなりいかなかった体験記も近々書く予定である。
