チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」は、クリスマスにまつわる音楽のなかでも特に親しまれているものだろう。
ところで、クリスマスって何の日?
そんなの当たり前!イエスの誕生日!
ブブーッ!
実はクリスマスはイエスが生まれた日ではない。
小田垣雅也著「キリスト教の歴史」(講談社学術文庫)には、 次のように書かれている。
《クリスマスがイエスが生れた日であるとするのは、全く史実ではない。12月25日がクリスマスと決められたのはローマの司教リーベリウスの時、西暦354年で、それ以前はイエスの誕生日は5月20日とも1月6日とも推測されていた。12月25日は元来ペルシアの太陽神ミトラの冬至の祭りであり、そのお祭りさわぎに対抗して、キリスト教徒たちもクリスマスをこの日に祝うようになったとされる。またイエスの誕生年も実際は4年ずれていて西暦紀元前4年であることも知られている》。
つまりは、ミトラのお祭りにわざとクリスマスをぶつけたというわけだ。この「キリスト教の歴史」はキリスト教の誕生から現代のキリスト教にいたるまでを解説したものであり、学術的ではなるが読んでいて面白い本である。
《福音書はイエスの伝記ではなく、イエスが神の子キリストであることを主張するために書かれた、原始教団の信仰告白である》
う~ん、なるほどぉ!
ところで、私はクリスマスが好きである。正月よりも好きである。
なぜかわからないが、街中がクリスマス気分に装飾されているのが好きだった。いまはどうでもいいけど。
不思議なことに、私の母はクリスマス・イヴといえば、必ずクリーム・シチューを作った。あとはロースト・レッグである。
私はロースト・レッグが好きで、この日のために364日という日を耐えていたようなものだ。それにしても、なぜクリーム・シチューだったのだろう、毎年毎年。ハウスの回し者だたのだろうか?
さて、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」は、彼の3大バ レエの最後を飾る作品であり、死の前年の1892年に初演されている。筋は主人公のクララ(マーシャと言われることもある。どうして別々の名で呼ばれることがあるのだろう?)の家でのクリスマスの夜。クララがプレゼントにもらったくるみ割り人形がはつかねずみの大群と戦争を始める。クララが加勢してくるみ割り人形の勝利。そのお礼にクララはお菓子の国に案内される。そして最後に、それが夢だったことがわかる。というもの。
組曲版の方が有名だが、やはり全曲を聴いておきたい。しかも画像があったほうが楽しい。
そこで推薦するのはロイヤル・バレエのDVD。演奏はスヴェトラーノフ指揮のコヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団。クララはアリーナ・コジョカル。お菓子の国の女王として吉田都も出演している。opusARTEのOA0828D(輸入販売元はナクソス)。
ところで、サンタクロースの赤い衣装。あれって、コカ・コーラが作りあげたって知ってます?