ソロサバルの「マルセリーノの歌」。
 この曲は1955年のスペイン映画「汚れなき悪戯」の中の挿入歌である。

 映画の内容は、修道僧に育てられた捨て子のマルセリーノが、教会の屋根裏に置いてあるイエス像にパンを運んであげるうちに、そのイエスに「願いを叶えてあげる」と言われ、天にいる母のもとへ行く、というもの。
 坊やのいじらしさに世界が涙した、という名画である。
 マルセリーノ役のパブリート・カルボは当時6歳。ということは、今年59歳ということになる。余計なことだけど。

 この曲をクラシックとして扱うことには抵抗がある人もいるだろうが、ソロサバルのことはよく知らないものの、多くの映画音楽は純音楽作曲家が書いていることもあって、クラシックのジャンルに入れられることが多い。
 パブロ・ソロサバルは1854年生まれ1988年没のスペインの作曲家。
 「マルセリーノの歌」は素朴ながら美しい旋律が心に残る6bf563d2.jpg音楽。歌は、マルセリーノと修道僧たちが歌っている。

 私が中学3年生のクリスマス近くに、この映画がTVで 放映された。
 クラスでも少なからずの人が放送を観たようで、翌日話題になったのを記憶している。別にクリスチャンの中学に行っていたわけではないので、念のため。
 たまたま「英雄の生涯」のLPを、近所の恐ろしく小規模なレコード店「ぴぴ」(名前も恐ろしいほど間が抜けている)に買いに行ったら、店構えとは裏腹に「マルセリーノの歌」のシングル・レコードがあったので、購入した。
 それを友人たちに貸してたいそう感謝されたが、そのうちどこかに行ってしまった(誰がどうしたかの目星はついている。もう時効だが)。

 モノクロ、モノラル録音だが(当たり前か)、DVDが出ている。IVCのIVCF2040。3,500円。興味とお金のある方はぜひご購入を!(なぜか、紀伊国屋書店のDVDコーナーにはきちんと置いてある)。