プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」Op.64。

 この作品中の「騎士達の踊り」は、ソフトバンクの携帯CFや、「のだめカンタービレ」の番組でシュトレーゼマンのテーマとして使われ、すっかり有名曲になってしまった。
 この不気味な舞曲は、確かに不気味な指揮者シュトレーゼマンの登場にマッチしているが、ソフトバンクの方は非日常を強調したのかどうかは解らないものの、よく選曲したなぁと思わせる。
 たいして騒ぐことではないのに、ずいぶんと非難されている中川翔子さんの今の気持ちは、さしずめこんな感じか?

 昨日のサンジャポのイージス艦と漁船の衝突事故で、彼女がまだ発見されていない2名の船員があたかも死んでしまったように発言したと責められているが、いいかげんにしろと言いたくなる。
 確かに適切な発言ではなかっただろうが、皆の心の中では「もう助かる見込みはない」と確信があるはずだ。それをたまたま、しかも悪意があったわけではなく、「死んじゃって」と言ったことが、そこまで責められることなのか?
 責める人間は、まだ生存していると信じているのだろうか?
 行方不明の2人の家族には申し訳ないが、常識的に考えて絶望的だろう。それを偽善的に責めるのは、いじめと同じだ。それに番組では、彼女が何かとんでもないことをしゃべってしまうのではないかと、面白がっていた向きすらある。
 別なニュースでは、家族か関係者かは知らないが、海に花束を投げ入れていた映像があった。あれが弔いの儀式でなくて何だというのだろう?
 発言内容は良くなかったかも知れないが、タレント一人を責める姿勢に問題がある。
 
 ちょいと興奮してしまったが、私は中川翔子さん自体、昨日の番組を観るまで知らなかった。逆に言えば、私の意見はなんらバイアスのかかっていないものである。

 話を戻す。
 このバレエは1938年にブルノで初演されたが、プロコ0cfec9c9.jpg フィエフの特徴が凝縮された音楽である(凝縮というわりには、けっこう長いけど。4幕から成るから)。

 私が聴いているCDはマゼール指揮クリーヴランドoのもの。
 マゼールって顔が怖いからあまり好きでないんだけど(とくに目のあたりが悪魔っぽい)、ときどきふつうの演奏をしてくれる。この演奏は成功例じゃないかと思う。
 1973年録音で、デッカのUCCD3228(2,900円)。同じものがUCCD3286としても発売されており、こちらは2,400円。なお、写真はまだロンドンレーベル時代のもので、UCCD3228は同一デザイン。UCCD3286の方のジャケットは、小ずるい悪魔のようなマゼールの顔が写っている(小ずるい悪魔=小悪魔ではありません)。

 マゼールって、もっと時代を代表する指揮者になるかと思っていたが、これからどうなんだろうね?