レスピーギ(1879-1936)の「前奏曲とフーガ」P.158。
 この曲はJ.S.バッハの「前奏曲とフーガ ニ長調BWV.532」をオーケストラ版に編曲したもの。ベートーヴェンの第5交響曲第3楽章の「象のダンス」と呼ばれた箇所を思い起こさせるようなハラハラ感がある。

 なぜレスピーギがこの作品をオーケストレーションしたのか私は知らないが、中世、ルネッサンス、バロックの音楽を民族主義的にとらえようとしたレスピーギだったから、こういう試みをしたのかも知れない。そういえば、以前、やはりレスピーギが編曲した、モンテヴェルディの「オルフェオ」を耳にしたことがあるが、似たような雰囲気があった。

 オルガンで奏されるバッハの原曲は華やかさがあるabdafc37.jpg が、編曲版はオケが苦しそう(細かく速いパッセージについていくのが)。でも、祝祭的で、かといって、一歩間違えたら騒乱となりそう。
 コントラバスなんかヒーヒー言ってる感じで、力士の着ぐるみを着て反復横とびをしているような感じだ。
 なんとなく楽しいから、ぜひともお聴きあれ!

 CDはノセダ指揮BBCフィル、シャンドスMCHAN10081(2002年録音)。タワーレコードで扱っており、2,730円。
 このCDのメインとなる収録曲はバレエ「風変わりな店」(これはロッシーニの曲をもとに作られたもの)。楽しい作品で、こちらを聴く分にもこのノセダ盤はお薦め。他にバレエ「魔法の鍋」も収められてる。