チャイコフスキー(1840-93)のピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23(1874-75,'79,'88改訂)。
高校2年生のときに、1学年下の女の子を、もっのすごぉ~く好きになったことがある。
ホントにすっごく好きになってしまったのだ。
何て言うの?「これが恋かしら」っていう、疑問、疑念、疑惑。
12月になって、勇気をふるってコンサートに誘ってみた。
お金がないから札幌交響楽団の無料コンサートである。
そのプログラムの中に、チャイコフスキーのピアノ協奏曲があった。
そして彼女が言った言葉が、今回のタイトルにある思わせぶりなセリフである。
でも、明らかに私のことは言っていない。
ちぇっ、なぁんだ。
私のことを好きだと言ってくれたんじゃないんだ、と落胆するなかれ!(←誰に言ってるんだ?)
コンサートのお誘いに応じてくれるだけで地軸が少し傾いたと思えたくらいだ。
第一、私はまだ彼女に「好きです!愛してます!お父様は私のことを気に入ってくれるでしょうか?」なんて、一言も聞いてはいないのだ。
そのコンサート。なかなかすごいプログラムであった。
チャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」とピアノ協奏曲、そしてベートーヴェンの交響曲第5番「運命」。その間に唯是震一の筝協奏曲も入っていた。すごい節操のなさである。
そっか……
ロメオとジュリエットは悲恋の話。私の愛の行方を暗示していたのだ(ただし彼女は私をロメオとは思っていなかった。まったく)。
また、彼女は「もう遅いから」と最後の「運命」は聴けないと言った。なかなか、しっかりした家庭に育ったようだ。あるいは、これ以上私と時間を共有すると窒息しそうだったのかも知れない。
どっちにしろ、これは「あなたとは運命を共有できない」ということの暗喩だったのだ。
ということで、その10ヵ月後、これらの意味を理解しない私は、恐れも知らずに彼女に交際を申し入れ、敗訴した。上告は却下された。
♪
今日の僕、ちょっぴり気分は、ブルーなの。
だって今日は月曜日。
あぁ、光あれ!
♪
この作品は超有名曲だから、いろいろなCDが出ている。
そんな中、今日ご紹介するのは、これまた超有名演奏 だったラザール・ベルマンのピアノ、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルのもの。1975年の録音。カップリングは、クリスティアン・フェラスの独奏でヴァイオリン協奏曲(1965年録音)。
グラモフォンの423 224-2(輸入盤)。国内盤はPOCG91035。
でもね、今は両方とも廃盤のよう。
このベルマンのチャイ・コンのLPが発売されたときは、すごい騒ぎであった(もちろん、狭いクラシック・ファン業界の中での話)。これまで名演とされていたLPがすべて吹き飛んでしまうかのような勢いであった。
それに関連した記述が「ピアノとピアニスト2003」(音楽之友社)に書かれている。書いているのは柴田龍一氏である。
《ベルマンは、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番に特別な興味を抱き、それを深く検討した解釈を打ち出しているというが、カラヤンと共演したそのチャイコフスキーは、このピアニストの桁はずれにスケールの大きい個性が前面に押し出された演奏であり、ロマンティックで悠然とした巨匠的な表現堪能させてくれる》
ねっ!なんかすごいでしょ?
だてに、うさんくさそうな占い師みたいな風貌をしているわけじゃないのだ。
と言っている私は、その当時は新譜のLPなんぞそうそう買えず、エア・チェックした別な演奏を聴いていたのだが、遅ればせながら、本当に遅ればせながら、この演奏を耳にしたときには、さすがに当時騒ぎになっただけあるわい、と少なからず思ったものだ。
私が持っているのは輸入盤の方だが、ジャケットを見てお解りのとおり、これはカラヤンを前面に打ち出している。内側には妙に色が鮮明なカラヤンの肖像写真まで載っていて、なんか感じ悪ぅ~。
さて、高校時代の{(甘美×失意)の平方根}となった私の失恋は、その後「幻想交響曲」にのめりこむことによって{(憎悪×狂気×自棄)の三乗根}として未消化気味に昇華したわけだが、それでもチャイ・コンを聴こうと思うことはめっきりなくなってしまった。
あれから30年も経つというのに、こうなのだ。いかに私のハートが繊細であるかがお解りいただけるだろう(なお、心電図には異常はない。脳波は未検査)。
それとも単なる粘着気質か……?
でもいいの、
どーせあの子も
いまや、おばさん
新館入口(2014.6.22~)
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