F.グローフェ(1892-1972)の組曲「大峡谷」(1931)。
本州はひどい天気だったようだが、おはようございます。こちらも降ってます。
私の住んでいるところには、近くに比較的大きな川が流れていて(鮭も溯上してくるらしい。釣っている人もいる。もちろん「いけない行為」)、大雨になると、多少は心配になる。
何が心配になるかというと、河川敷に生息するアリの安否ではなく、氾濫がである。
実際、いまから30年近く前にはこの川が決壊して、あらあら辺りは水浸し、となったそうである。
私の妻は「いざというときのためにゴムボートを用意しておくべきだ」と、雨が降るたび言う。河川が氾濫したらそれで逃げるんだそうだ。
これが他人の妻が言ったとしたら、「奥さん、それは危ないですよ」と優しくアドバイスする(その人妻がかわいい場合)、もしくは、鼻で笑ってやる(その人妻が嫌いなタイプの場合)のだが、自分の妻の場合は「どこまでも命根性の汚い奴だ」と、思いっきり罵ってやる(無言かつポーカーフェイスで)。
それにしても、アホか!
そのときにいったい誰が息を吹き込んでボートを膨らませるというのだ?言っておくが、私の肺活量はあてにしないで欲しい。
第2に、辺りの住民が屋根の上で救助を待っているときに、わが家だけボートで避難するなんて行動が果たしてとれるだろうか?
第3に、これが最も重要だが、そんなときにボートをコントロールできると思っているのだうか?インディー・ジョーンズも真っ青。濁流で制御不能になって、どんどん石狩湾に流され、転覆し、シャコのエサになるのだ、私は。
ということで、誰が妻に自分の浅はかさを教えてやって欲しい。浅はかだから、教えたところで気付かないだろう。
洪水のときはリスクが大きいボートではなく、浮き輪がいいと思う。私は。
ところで、クラシック音楽で洪水を扱った作品がどれくらいあるのだろうか?
ざっと調べてみると、
・ストラヴィンスキー/「ノアの大洪水」(1962)
・サン=サーンス/オラトリオ「ノアの洪水」Op.45(1876)
・ブリテン/歌劇「ノアの洪水」Op.59(1958)
・ブルクハルト/カンタータ「ノアの洪水」Op.97(1955)
っていうのがある。やっぱりノアに関しての曲ばかりだ(それでしか調べていないから)。
「箱舟」でみると、マリピエーロの弦楽四重奏曲第6番「ノアの箱舟」(1947)とか、前にご紹介したハラルト・ヴァイス(この人、私好き)の「箱舟」っていうのがある。
そこで今日紹介するのは、この前振りを見事に裏切って、冒頭に予告したとおりグローフェの組曲「大峡谷」である。
グローフェは1920年にP.ホワイトマン・バンドにピアニスト兼アレンジャーとして入ったが、ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」の編曲によって一躍有名になった。
作曲家としてはセミ・クラシックの作品を残しているが、「ミシシッピ組曲」「ハリウッド組曲」「デス・ヴァレー組曲」「ハドソン川組曲」「サンフランシスコ組曲」「ナイヤガラの滝組曲」といった、観光名所案内のような名の作品を書いた。
組曲「大峡谷」は彼の代表作であり、大峡谷とはグランド・キャニオンのことである。だから、この曲は組曲「グランド・キャニオン」とも訳される(こっちのほうがむしろ直訳でよろしい)。
5つの曲から成っており、各楽章は「日の出」「赤い砂漠」「山道をゆく」「日没」、そして終曲が「豪雨」である。だから、ここで取り上げたってわけさ……
こういう曲は、フィードラーとかオーマンディの演奏が、なんも考えなくてよくて良いと思う。
だから今日はオーマンディ。オーケストラはフィラデルフィア管弦楽団。
いやあ、このソニークラシカルのジャケットデザインも、いくら廉価盤とはいえ、購買意欲をそそらないなあ。仕方ないから買ったけどさ。
しかもオーマンディ。この人の演奏って、どうして魂を感じないのかなぁ。でも、だからこそ、こういう絵巻物的音楽をやるには向いてる気がする。
北京の雷雨もすごかったなぁ。
新館入口(2014.6.22~)
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