外山雄三(1951- )のヴァイオリン協奏曲第1番(1963)。

136cd922.jpg 外山雄三と言えば、近年では指揮者としてのイメージの方が強いが、何といっても「おぉ、JAPAN!」と強烈に思わざるを得ない「ラプソディー」(1960)を書いた、その人である。

 「ラプソディー」は日本民謡を露骨に使った管弦楽曲で、1960年のNHK交響楽団海外公演のアンコール用ピースとして作曲された。すごく親しみやすいが(だってソーラン節だのなんだのが出てくるのだ)、聴いていてちょっと恥ずかしくなる音楽でもある。

 その点、ヴァイオリン協奏曲は、基本路線は「ラプソディー」と一緒だが、より洗練されている。
 で、けっこう耳に焼き付いてしまう音楽だ。
 この協奏曲は、当時N響のコンサート・マスターだった海野義雄の依頼によって書かれ、1963年に初演されている。同年の尾高賞に選ばれ、翌年のN響定期に取り上げられた。

 海野義雄なんて懐かしい名前……
 悪いことしちゃって、どこかに消えちゃった……

 ずっとCDが出ていなかったのだが、今は「日本のヴァイオリン協奏曲名作選」というタイトルの廉価盤で聴くことができる。海野義雄のヴァイオリン、外山雄三指揮NHK交響楽団。

 札響が初めて海外で公演した1975年。このときのプログラムにはこのヴァイオリン協奏曲が入っていた。こういう「珍しい曲」を披露するのが海外演奏旅行のパターンになっていた感じだった。

 なお、外山は1966年にもう1曲ヴァイオリン協奏曲を書いている。したがって、1963年のものは「第1番」ということになる。