昨日は降ったぁ~。すっごく降ったぁ~。
雪のことである。
風も強かったぁ~。
要は吹雪模様だったのである。
そのすごさはすでにニュースなどでご存知だと思うが(何気なく北海道以外の方を意識しながら記述中)、私もいつもなら30分ほど電車に乗って通勤しているところが、昨日は80分も乗らされていた。
途中のどこかで線路のポイント切り替えができなくなり(一挙に雪が降るので、雪が詰まってしまうのだ)、電車がストップ。ポイントが復旧したら、停まっていた電車がいっせいに「いざ、鎌倉」よろしく、「いざ、札幌へ」となるわけだから、先づまり状態。天気の悪さも加わって徐行運転。+フンづまり。トロトロ動いたかと思ったら停まり。停まったかと思ったら、ずっと停まり……。そんなわけで80分も乗り続けてしまった。 これは自然現象による遅れだからしょうがない(「大雪による“ポイントふてん”のため、一時停車しています」というアナウンスがあったが、「ふてん」って「不転」ということだろうか?こういうときは分かりやすく言って欲しい)。しかし、乗車前に遅れてなかなか来ない電車をホームで待っていてすっかり体が冷え切った上、乗ってからは飛行機なら千歳・羽田間に匹敵する時間を車内で過ごした私は、別な意味の自然現象、つまり刻々と強くなる尿意との戦いにも苦悶した。あー、辛かった。
ところで、朝起きると予想以上の積雪。しかも重い雪。
外へ出ると、まだ市の除雪も入っていない。
新聞配達のオジサンは、雪深い道を原付で進もうとしているの だが、雪に阻まれ原付ダンス・ショーみたいな有様。大変だなぁ。
市の除雪車が入っていないので、私は玄関ポーチから道路までアプローチの雪を道路の方まで運んだ。こうすれば敷地内の雪も、少しは除雪車が持って行ってくれる。
すでに除雪車の轟音が聞こえているから、経験からすれば20分くらいのうちにこちらの方にやってくる。急いでやり遂げなくては……
ということで、はっちゃきになってやった(その急激な運動のせいで、すっかり息が上がってしまい、朝ごはんを満足に食べられなかったほどだ)。
その間、頭の中に流れていた、というか、頭の中で私が歌っていたのはロシア民謡の「赤いサラファン」であった。「えいこーらぁ、えいこーらぁ」の歌詞で知られる「ヴォルガの舟歌」の方が合いそうなのだが、なぜか「赤いサラファン」であった。
「赤いサラファン」を初めて聴いたのは、1981年2月のことであ った(A.スヴェシニコフ指揮国立アカデミー・ロシア合唱団の演奏)。
たまたまFM放送でロシア民謡をまとめて放送したのを録音したのだが、「ロシア民謡っていいなぁ」というのが率直な感想(民謡はクラシックの番組で流されることが多いのに、なぜか日本民謡は取り上げられない。取り上げなくてもいいけど)。この年の4月から大学に通うようになった私だが、大学のサークルなどではコンパのときなど、そのときでもいまだロシア民謡が何曲か歌われているのにさらに驚いた(サークルはすぐやめた。私は集団活動に不向きなのだ)。
戦後、歌声運動みたいなものがあって、そこではロシア民謡などが盛んに歌われたという。その名残だったのだろう。その証拠に(?)、FM放送を聴いた後、たいして大きくない書店で写真の「ロシア民謡アルバム」(音楽之友社刊)を見つけたくらいだから、その余波は残っていたと思われる。
私が持っている「赤いサラファン」を含むダーク・ダックスのロシア民謡のCDにも、「我が青春譜」という副題がついているし、東海林さだおのイラストも「昔の学生」である。歌声運動が起こった事情について、そのうちじっくりと調べてみたい(何となく感づいてはいるけど)。
「赤いサラファン」はロシア民謡といっても、A.E.ワルラモフ(1801-1848)というロシアの宮廷礼拝堂の歌手が書きのこした歌曲で、1833年に出版された。掲載した楽譜(出典は前述の「ロシア民謡アルバム」)で歌詞がおわかりのように、サラファンという衣装を刺繍している母親が、娘に自分が若かりし頃の思い出を語っている内容である。まあ、つまりは雪かきとは関係ないということだ(そういえば、村上春樹が「ダンス・ダンス・ダンス」で使っていた「文化的雪かき」って良い言葉だと思う)。 ところで、私の現実的雪かきは、市の除雪車が来る前に無事終わり、敷地内の雪は道路際に積み上げられた。その少し後に除雪車が持って(半分は壁のように残して)行った。
でも、大丈夫。除雪車が残していった最も厄介な固い壁のような雪は、個人的に契約している民間の除雪会社が持って行ってくれる。市の除雪車が入った後にやってきて、残していったものを小型のブルでさらに除雪してくれるのだ。これは便利。お金に代えられない価値がある(とはいえ、契約時の支払いにマスター・カードは使えない)。
ロシア民謡といえば、小学生の時に大流行した歌がある。歌謡曲としてベスト10入りしていた。「ポーリュシカ・ポーレ」。歌っていたのは仲雅美。内容は原曲とは変えられていたと思うが、いい曲だなと思った。そのころはてっきりオリジナル曲だと思ったけど。
ちなみに紛らわしいけど、「涅槃で待つ」って書き遺して自殺したのは沖正也です。
昨日ほどではないが、今日も悪天候。
今日は札響の第9公演の日。昨日までは行ってみようかなとも思っていたが、70分の曲を聴いた後、帰りの電車に80分缶詰になったらいやだし、なんとなくすっかり行くのが面倒になってしまった。
あぁ、怠惰……
新館入口(2014.6.22~)
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