村上春樹の「1Q84」(新潮社)。
なぜ「1984」じゃなく「1Q84」なのか。
年号をそのままタイトルにすると、ソルジェニーツィンの小説のタイトルみたいになっちゃうからだろうか?
それとも、ダイヤルQ2を利用するときには、番号の頭に184(いやよ)をつけて発信者番号を隠せ、ということえを示唆しているのだろうか?
そういうくだらないことを、ちょっとばかり真剣に考えたりもしたのだが、おやおや202p(Book 1の)にちゃんと書かれてありました。
「Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。」って。
何がQuestionなのかをここで書くと、小説の内容を言うな、と叱られそうなので書かないけど、いずれにしろダイヤルQ2のQでも、キュウリのキューちゃんのQでも、オバQのQでも、主人公が実は高橋尚子でもないってことが判明した。
結局は行かなかった。
朝までは、行ってみよう、という気になっていた。 昨日6月3日、Kitaraでの演奏会、「第10回現代日本オーケストラ名曲の夕べ」のことである。
プログラムは三善晃の「オーケストラのための『ノエシス』」、武満徹の「波の盆」、尾高惇忠の「オーケストラのための『肖像』」、尾高尚忠の「交響曲第1番」である。
指揮は尾高忠明、オーケストラは札響を中心とした編成に全国のオケメンバーが加わるという、「オールジャパン・シンフォニーオーケストラ」である。それにしても工夫の苦労があまり感じられないオーケストラ名だ。
このプログラムで、私が特に聴いてみたいと思ったのは「波の盆」である。 私は尾高/札響によるCDでこの曲を知ったのだったが、ひじょうに美しい。それに、この曲には一緒に仕事をしていて現職で亡くなった同僚のオジサンの思い出がリンクしている。そのオジサンが高熱で仕事を休み、その3日目に血を吐いて亡くなってから7年経つ。
ところが、朝の通勤で久しぶりにあらためて「波の盆」を聴いてみたら、確かに美しいし、メロディーも心を捉えるものがあるのだが、果たして生で聴いたらどんなもんなんだろう、と思ったのだ。
何て言ったらいいのかな……(いきなり乙女チック)。生で聴いたらつまらないんじゃないか、スカスカなんじゃないか、幻滅するんじゃないかって思ったのだ。それは演奏の良し悪しじゃなく、この音楽(オーケストレーションも含めて。原曲はTV番組用なので、オーケストレーションは演奏会用に書き直されたはずだ。誰によってかはわからないが)自体が、そういう類のものじゃないかと思ったのよ(だから、なんだよ!)
それは確信に近いような感覚だった。私の確信は往往にしてカスる、もしくはハズレるのだが、私はコンサートに足を運ぶのをやめることにした。
尾高忠明さんが先日の札響定期で唐突にマイクで宣伝するほどのコンサート(たぶんそれほどチケットがはけていないのだろう。S席でも3,000円という安さなのだが)。足を運ぶべきなのだろうが、すっかり気持ちが変わってしまった(そしてかわりに酒を飲む予定を入れた)。
私は武満徹の音楽が苦手である。良さがよくわからない。
30年ほど前、ある知人が(この女性は「札響ファンクラブ」という愛好会を設立していた)、「ノヴェンバー・ステップス」はすばらしいと唱えていたが、私には何がすばらしいのかさっぱりわからなかった。「ニホンジンの心、ワタシにはワカラナイ」と、そのときの私はちょっぴり悲しかった。
しかし、この「波の盆」は別である。最初に聴いたときからすんなりと自分に浸み込んだ。感動もした。
ということは、逆説的に考えると、この音楽は武満らしくないのかもしれない。そして、今朝あらためて耳にして、これは生で聴いてはいけないような気がしたのだった。
他の作品に興味はある。私は現代音楽はむしろ好きな方なのだ。
「ノエシス」は、むかし札響の定期で聴いたことがある。どんな曲か記憶に残ってないけど……
尾高尚忠氏の作品は知らないが、惇忠氏の作品は何曲か知っている。
でも、生で「波の盆」を聴いたら、すべての曲がつまらなくなる気がしたのだ。だから、少なくとも「波の盆」はCDでいいの。
へんな奴?……私って。
新館入口(2014.6.22~)
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