カバレフスキー(Dmitry Borisovich Kabalevsky 1904-87)のチェロ協奏曲第2番ハ短調Op.77(1964)。
カバレフスキーと言えば組曲「道化師(The comedians)」である。
あまりにも有名である。
全国の小学校で運動会の時に流されてると言っても過言ではないと言い放っても過言ではないだろう。
なんと親しみやすい曲であろうか。
それもそのはず。
カバレフスキーはモスクワ音楽院時代に、芸術の大衆化を目指す「学生制作集団(プロコル)」に属していた。彼はそれ以来、他の誘惑に負けず、理解しやすい音楽に取り組み続けた。
特に彼が力を注いだのは児童用作品で、組曲「道化師」のもととなった「発明家と道化役者」(1938)は、M.ダニエルの児童劇のための音楽である。この劇は田舎回りの喜劇の一座の生活を扱ったものだが、カバレフスキーは翌1939年に10曲を選び組曲「道化師」Op.26としたのであった。
特に有名なのが第2曲「ギャロップ」だが、私は大学生の時に音楽とはまったく関係のない何気ない会話の中で、「スキップ」と言うべきところを勘違いして「ギャロップ」と言ってしまい、相手に完璧に理解されなかった恥ずべき経験がある。あぁ、クラシック・シンドローム…… なお、「道化師」でお薦めなのはやはりコンドラシン盤。何年経っても、何十年経ってもコンドラシン盤をしのぐ演奏がなかなか出てこない。このCDには浅田真央の演技曲で有名になったハチャトゥリアンの組曲「仮面舞踏会」も収められているが、こちらのほうもやはりコンドラシン盤を超えるような演奏は出てきていない。
さて、そんなカバレフスキーの音楽だが、チェロ協奏曲第2番は違う。
私は1988年12月の札響定期演奏会でこの曲を初めて耳にしたが、きっと楽しげで頭がからっぽにできるような音楽を期待して行った(なんせ、ものの本によっては、カバレフスキーは“思索的な深みに欠ける”とまで書かれているのだ)。ところがどっこい、全然違い、むしろ眉間にしわを寄せて哲学的な表情で聴かなくてはならなかった。
ひじょうに“まじめ”な音楽。難解とか親しみにくいとかいうのではないが、ニタニタして聴いていたらバチが当たりそうな音楽である。
カバレフスキーはチェロ協奏曲を2曲書いている。
第1番(ト短調Op.49)は1949年に書かれているが、これは「青少年のため」に捧げられている。私は聴いたことがないが、楽しい曲なのかしらん? 第2番は先に書いたように、渋い、重い、瞑想的である。
悩みを音楽化したかのよう。あぁ、カツカレーとエビフライカレー、どちらにするべきか……と選択を迫られた時のことを想像するとわかりやすいだろう……か?
アルト・サキソフォーンが編成に加わっており、これがまたいい味を出している。
3楽章からなるが、すべてアタッカで続けて演奏される。
私が聴いているCDは、ラファエル・ウォールフィッシュ(Raphael Wallfisch)のチェロ、ブライデン・トムゾン(Bryden Thomson)指揮ロンドン・フィルハーモニックの演奏によるもので、シャンドス(Chandos)のCHAN8579(輸入盤)。1987年の録音。
カップリングはグラズノフ(Aleksandr Glazunov 1865-1936)の「吟遊詩人の歌(Chant du menestrel)」Op.71 (1900)と、ハチャトゥリアン(Aram Il'ich Khachaturyan 1903-78)のチェロ協奏曲ホ短調(1945-46)。ただしこのCDは現在入手困難。
昨日、“コンラッド・フェルディナンド・マイヤー”(Conrad Ferdinand Meyer)が開き始めた。
このバラは、ピンクはピンクでもちょっと感じが違う。シルバーピンクって感じか。
ただ今シーズンは低温と日照不足のせいか、どのバラにも病気が多発している。
心配である。
新館入口(2014.6.22~)
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