ショスタコーヴィチ(Dmitri Shostakovich 1906-1975)の「バレエ組曲」。
ショスタコーヴィチは4つの「バレエ組曲」を書いているが、いずれも作品番号はついていない。第4番の組曲のみ3曲から成り、他はそれぞれ6曲から成る。
作曲年は第1番が1949年。第2番が1951年。第3番が1952年。第4番が1953年。
いずれも架空のバレエのための組曲で、第2番では付随音楽「人間喜劇」Op.37(1934)の、第3番では映画音楽「イワン・ミチューリン」Op.78(1948)の音楽が使われるなど、彼の他の作品の流用もある。
いわゆるロシア的な雰囲気があふれる音楽。私の言う「ロシア的」っていうのは[E:notes]「赤い靴、履ぁいてた、女の子ぉ~」の曲に代表されちゃうんだけど。
第1番の最初の音楽からして、「おぉ、ロシア」。「みんな、暗ぁ~く楽しんでる」って感じ。そして、どれも親しみやすい。あるいは、どこかで耳にしたことがあるようなもの。
薄ら暗い雰囲気も相まって、なかなか自虐的に楽しめる音楽だが、さすがに聴き続けると飽きが来るのも事実。ショスタコーヴィチの曲としては、準傑作までにさえ到達していないかも。ただ、聴いておいて損はない。
私の持っているCDはネーメ・ヤルヴィ指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の演奏によるもの。1988年の録音。CHANDOSのCHAN7000/01(2枚組。輸入盤)。
このCDには第1番から第4番までの「バレエ組曲」のほか、「祝典序曲(Festive Overture)」Op.96(1954)と、歌劇「カテリーナ・イズマイロヴァ(Katerina Ismailova)」Op.114(1963初演)からの組曲(5曲)、そして、「バレエ組曲第5番」Op.27aが収められている。
この第5番というバレエ組曲は、バレエ「ボルト」Op.27(1931初演)から、1931年に8曲を選んで組曲にしたもので、ふつうはバレエ組曲「ボルト」と呼ぶ。あまりバレエ組曲第5番とは呼ばない。
バレエ「ボルト」はショスタコーヴィチの大傑作とはいえないまでも、作曲者の若いエネルギーが伝わってくる傑作であることは間違いない。
そして、このバレエ組曲「ボルト」は、第1番から第4番までの「バレエ組曲」と比べると、やはり格が違う。退屈な間がない音楽が繰り広げられる。
なお、このCD、残念ながら現在は入手困難なようである。
さて、昨日名古屋にやって来たが、千歳からの飛行機はけっこうすいていた。
ふだんは通路側にしか席をとらない私だが、出発で飛行機のドアが閉まったあと、空いていた窓側席に移動、ひさびさに窓(車窓じゃなくて、なんて言うのかね?飛行機の窓のこと)からの景色を少しだけ楽しんだ。
名古屋に近づくにつれて、入道雲のような雲の固まりを巻くように飛行機は航行。あの入道雲から私めがけて(私の窓めがけて)稲妻が走ってくるんじゃないか、などとまたまた余計なことを考えたりもした。
稲妻……。稲の妻だぜ。よくわからないけど、すっごい強そうだ。“妻”という一文字だけだって十分に泣く子を黙らせるほどの強烈な暴力性を感じさせるのに、それに“稲”がついちゃったら、まるで妻の名前が“稲”みたいだ。
って、何言ってるのかよくわからんでしょ?
私,too.
今日のうちに札幌に戻るけど、名古屋の暑さの中、帰る前に干物になってしまわないよう気をつける所存である。
新館入口(2014.6.22~)
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