7月11日にPMFオーケストラがエッシェンバッハのタクトのもと、マーラーの交響曲第2番「復活」の凄まじい演奏をKitaraの大ホールに繰り広げてから早3週間。遅ればせながら、エッシェンバッハの「復活」のCDを購入して聴いた。 オーケストラはフィラデルフィア管弦楽団。合唱はフィラデルフィア・シンガーズ合唱団。ソプラノ独唱シモーナ・シャトゥロヴァー、、メゾ・ソプラノ独唱イヴォンヌ・ナエフ。2007年5月、フィラデルフィアのヴェリゾンホールで行われたコンサートのライヴ録音盤である(ONDINE ODE1134-2D。輸入盤。2枚組)。
う~ん。あの夜の感動がよみがえる。
エッシェンバッハの「復活」に対するアプローチは、当たり前と言えば当たり前だが、あの日の演奏で受けたものからぶれてない。一貫している。つまり、PMFOを振ったときと同じ音楽づくりを、エッシェンバッハはしている。
だから、あの晩のことがはっきりとよみがえってくる。
ただ、私は思う。
生演奏ではなく、先にCDの方を聴いていたら、この「復活」の演奏にのめりこんだだろうか?と。もしかすると、地味すぎると感じたかもしれない。「じわりと来る感動」が伝わってこなかったかもしれない。
あの生演奏の空気、雰囲気を知っているからこそ、このCD演奏の良さが伝わってくるのではないかと思う。こういうのって、クラシック・ファンにはたまらない幸せである。まったく同じ再会ではないにせよ、疑似再会が実現できたのだ。
PMFでの演奏は全体的に遅く感じられた。このCDの演奏もそうだ。確かに絶対的時間もエッシェンバッハ盤はかかっているが、感じ取るほどまでは他の演奏と驚くほどの差はないことがわかった。そこが音楽のおもしろいところでもある。
ばかばかしいと言えばそのとおりなのだが、一応手元にあるCDの演奏時間を比較してみた(<>内は録音年)。なお、DVDのバーンスタイン盤やエッシェンバッハ盤など、ライヴの場合は終演時の拍手の時間も含まれている点も考え合わせなくてはならない。
1. エッシェンバッハ/フィラデルフィアo <2007>
22'35"+11'14"+10'34"+5'50"+37'14"
2. ブロムシュテット/サンフランシスコso <1992>
21'33"+10'23"+10'08"+5'07"+33'08"
3. ショルティ/ロンドンso <1966>
21'15"+10'36"+10'14"+4'27"+34'28"
4. ショルティ/シカゴso <1980>
20'36"+11'14"+10'22"+4'51"+33'48"
5. メータ/イスラエルpo <1994>
20'35"+9'51"+10'12"+4'55"+32'40"
6. インバル/フランクフルト放送so <1985>
22'44"+11'10"+11'24"+5'49"+33'52"
7. ギーレン/南西ドイツ放送so <1996>
22'10"+10'10"+10'23"+5'00"+35'35"
8. バーンスタイン/ロンドンso <1973>(DVD)
24'39"+12'31"+11'35"+5'32"+36'48"
いずれにしろ、エッシェンバッハの演奏は大音響ではったりをきかすのではなく、端正に、そして宗教的な雰囲気を醸し出している。
しばらくの間、私はまりそう……
ところで、私がマーラーの交響曲第2番を初めて生で聴いたのは、1989年11月、北海道交響楽団の“第16回演奏会”においてであった。指揮はこのオケの常任指揮者であり作曲家でもある川越守だった。
結論からいえば、「あぁ、『復活』が目の前で演奏されている」ってものを超えることはなかった。みんな精一杯頑張っているのはわかったのだが……
当日配られたプログラムには団員から寄せられた文も載っていた。
例えば、《私はホルン吹きです。……こともあろうに某練習場の廊下で復活の場外ホルンの旋律を吹きまくっておりました。……いつのまにか見ず知らずのオーケストラの人達から“復活ねえちゃん”と後ろ指さされるようになり、本人の性格もその楽器のように歪みはじめました。……》。
なんか内輪で盛り上がってる感じ。
なぁにが、後ろ指だって……。喜んでるじゃん。違う?
なぁにが、本人の性格もその楽器のように歪みはじめたって?……
広くチケットを販売している演奏会なんだから、こういう内輪の、文科系サークル特有のノリは勘弁して欲しい。どうしてもそうしたいなら、一般公開しないこと!
こういうことだから、冷やかに聴いちゃったのかもしれないけど。
新館入口(2014.6.22~)
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