メモリーメディアを挿すだけでVistaが高速になる夢のような話。
 それがReady Boostである。

 私はいくつかの雑誌でそれを読み、1年前にパソコンを買い替えあと、ほどなくしてUSBメモリを買い(高速用というやつだ)、この機能の恩恵にあずかってきた。
 でも、恩恵に預かるも何も、比較対象がないから、速くなっているに違いないと自己満足していた。最初は2GBのUSBメモリを使ったが、もっと割り当て容量が多い方がいいような気がして4GBのものをさらに購入。でも、もっともっとという欲望の塊と化した私はさらに8GBのUSBメモリを購入。Vistaの推奨どおり4GB近くをReady Boostに割り当てた。このころ、頻繁にUSBメモリを購入する私は、ビックカメラのお兄さんにUSBメモリコレクターと誤解されていたかもしれない。
 あの頃のことを思うと、心が疼く……

 そして1年弱が経った。
 最近どうもソフトの起動が遅くなったような気がする。
 その理由として、
  ウィルスソフトが悪さをしている。
  あの本で読んだ、「Ready Boostはボトルネックだ」という記事のせいでそう感じる。
 の2つが考えられる。

 そこで10日ほど前にReady Boostをやめてみた。

 なんということでしょう!
 速くなった……
 というか、ふつうになった。
 エクセルの起動も、ワードの起動も、インターネット・エクスプローラーの起動も速くなった。

 あぁ、私の1年を返せぇ〜

 あの本、すなわち、橋本和則著「バリバリチューン Windows Vista 倍速カスタマイズ 究極技163」(技術評論社。それにしても短歌なみに長い書籍名ではある)によると、《Windows Ready Boost は単にアプリケーションの起動を高速化するためのキャッシュであり、Windows Vista そのものに対して、特に手助けになっている機能ではない。むしろ、比較的高速なマシンを利用している場合には遅いUSBメモリーに対してプログラムをキャッシングする操作そのものがボトルネックになり、デスクトップの動作が遅くなる》と書いてある(速いマシンというのは、今の普通のマシン、ということだそうだ)。
 別なページでも、《Core2以上のCPUと2GB以上のメモリーを持つのであれば、停止すべきだ》と書いてある。

 あ〜あ、ちょっとシクシクだなぁ。
 私は、いい加減なPC雑誌の記事にだまされていたようだ。

 心なしか、ホント、軽くなった気がする。

 ところで、技術評論社って私には何となく愛着のある会社である。
 パソコン誕生期、まだマイコンという言葉とパソコンという言葉が混在していたころ、この会社の出していた“The BASIC”という雑誌を毎月買っていたのだ。なかなか専門的な内容で、私には理解できない記事もあったが、とても充実した内容の雑誌だった。
 パソコン誌って、今と違ってある種の格式があったのだ。当時は。
 いま売られているPC雑誌のような垂れ流し記事、行ったことも食ったこともないラーメン屋のラーメンを「激うま」と平気で書くような体質ではなかったと思う。
 雑誌名とイコールなのかどうかはわからないが、その頃は、プログラミング言語としてBASICが主流だった。雑誌に載っているプログラムを一生懸命入力したりしたものだ。
 あ〜あ、いただいやだ、じじいのノスタルジーは。

 そうそう、Windows Vistaの起動音が、死にかけたカセットテープのように途切れる話(私の実話)を書いたことがある。その原因がウィルス・セキュリティZEROのせいであることはほぼ断定できている。大規模なアップデート後に発生し始めたからだ。ソースネクストもその現象を認めている。
 ところがここ数日、音切れがなくなったことに気づいた。解決するZEROのアップデートが行なわれたのだろうか?しかし、ソースネクストのサイトでは「解決しました」とは、いまのところ発表されていない。

 私がReady Boostを停止してパソコンが速くなったと感じた時期と、起動音が途切れなくなった時期はとても近い。もしかすると、Ready Boostをやめたから速くなったのではなく、ZEROの関係による負荷が軽くなり速くなったことも考えられる。

 でも、もうこんなワケのわからないこと考えるのやめたい。
 家にある電化製品で、パソコンがいちばん人的保守が必要だというのも、なんだかおかしな話である(ウィルス起動音の途切れについては、富士通から次のようなケースも紹介されたので、私と同じような悩める子羊さんにもご紹介しておく→ お使いのパソコンでは、起動時のアプリケーション、ドライバなどの読み込み動作により、起動音に途切れなどが発生する場合がございますが、異常ではございません。ご安心ください)。