私は大学浪人時代、浪人の身分でありながら大胆にも家庭教師をしていたことがある。
 人の世話をしようとしているから、自分が落ちるのに……
 近所の中3の女の子で、週に1度、私の家に来て勉強をしていた。

 ある日、それはその女子中学生が来る日だったのだが、その日は再放送の「トムとジェリー」で「へんてこなオペラ」が流れる日だった。
 「トムとジェリー」好きの私だが、特に「へんてこなオペラ」は最高傑作と思っている。
 その放送時間のときは、女の子に自習を課し、テレビを観た私であった。

 家庭教師の時間中に自習とは、しかも漫画を観るためにとは、実にふとどき?
 いやいや、女子中学生に手を出してしまうことと比べたら、実に健康的な話ではないか!
 
 ちなみに原曲はロッシーニ(Gioacchino Rossini 1792-1868)の歌劇「セヴィリアの理髪師(または無益な用心)(Il barbiere di Siviglia,ossia L'inutile precauzione)(原題「アルマヴィーヴァ」(Almaviva))」(1816初演)のなかの、「私は町の何でも屋(Largo al factotum cita)」である。
 この曲は理髪師のフィガロ(歌手はバリトン)が歌うもの。
 アニメでは見事に「何でも屋」ということも踏まえている。すばらしい!

 お薦めCD?
 そんなのない。これがいちばんだっ!(ってことはないけど……)

 ちなみに、「セヴィリアの理髪師」の続編にあたる物語が「フィガロの結婚」である。