21日から昨日25日の日程でドイツに行ってきた。
ヨーロッパへの出張は2度目、6年ぶりである。
前回はJALでアムステルダムに入り、現地にある取引先のアムス駐在の方にアテンドしてもらい、ベルギー、ドイツ(ブレーメンとハンブルグ)、パリをあわただしく回った。観光する時間はあまりなく、ブレーメンに行ったにも関わらずブレーメンの音楽隊の記念碑すら見てこなかった。
ということで、今回は暇を見つけては観光もしようという意気込み(ってほどじゃないけど)で行ってきた。
Airは全日空。ふだんから国内出張でも全日空を使っているせいもあって、なんとなく落ち着く。前回はJALであったが、JALが悪いというのではないが、どうも利用したいという気持ちにならない。
どうしてか?
それが今回の出張中でわかった。ほんのささいな出来事が根っこにあった。
私は新婚旅行でグァムに行った。別に定山渓温泉でも構わないじゃないか、と提案したが、却下されてしまったのだ。そのとき利用したのはJALであった。
グァムからの帰りの便。明け方。
私はシートでうつらうつらしかけていたのだが、そのときに客室乗務員呼び出しのボタンにズボンを引っ掛けてしまったようだ。やって来たキャビン・アテンダント(スチュワーデスさんだ)の、「いったい何なの?」というような、機嫌悪そうな、面倒くさそうな表情。
今回、飛行機に乗っていて、私はふとその一瞬の出来事を思い出した。
考えてみればそれからだ。就航していない路線はともかく、すべてAirを利用するときはANAに替えたのだった。恐るべし、些細な出来事による潜在意識、顧客不満足度の執念深さ。
考えてみれば、前回の成田→アムステルダム、パリ→成田もJAL利用であったが、そのときの私も何か居心地が悪さを感じた。乗っている間に何があった、というわけではないのに……
思い込みかも知れないが、JALの客室乗務員にはプライドの高さのようなものが感じられる。被害妄想かも知れないが「この人、旅慣れてないみたい」という目線で見られているように感じるのだ(言っておくが、私は旅慣れている方だ)。
新婚旅行の帰り、早朝に成田に着いた後、夕方の羽田→千歳のJAL便で戻ったが、そのときの客室乗務員はとても親切(というよりも、ふつうの応対)だった。感じがよかった。
でも、ほんのちょっとしたことで、私のJAL苦手意識は心の底に根づいてしまったようだ。
ANAのフランクフルト便に乗って、そのことがふと理解できた次第。 アムスに行ったときも思ったけど、ロシアの上空をずっと飛んでいるのって、すごく嫌な感じ。ミグ戦闘機がやって来ないか、とか、もし撃たれて落ちてもこんな場所じゃ発見されるまで恐ろしく時間がかかるだろうな、などといらんことを考えてしまう。モニターの地図を眺めながら、速く進めと思う。
ところで私の席のすぐ近くには小さな女の子連れの夫婦が乗っていた。着陸が近くなると、女の子はぐずって大騒ぎ。気圧の関係で耳が痛いのだろうか?「かゆい、かゆい」とも叫んでいる。
小さな子供がぐずるのはある程度仕方ないと思う。でも、この夫婦、ほとんど騒いでいる子供をほったらかし。何を言ってもどうせ聞かないんだから、というような態度である。
どーしようもない。
日本の恥…… フランクフルトに近づくと、雲間から地面が見えた。
おお、ヤマ!ハタケ!
ああ、ヨーロッパ!
本州から北海道に旅行に来た人は、北海道の景色を見てヨーロッパ的と感じると言うが、確かにわかる。私は窓からのこの景色を、長沼あたりの畑のものと区別できなかった(千歳に着陸する便は、風向きによっては長沼の上空から回り込んで着陸するのだ)。そういえば、高校のときに同じクラスだった山畠さんは元気だろうか……
フランクフルトからはルフトハンザでベルリンへ。今回はベルリンにずっと滞在。
フランクフルトからベルリン行きの際のセキュリティ・チェックは厳しかった。
最初からベルト、腕時計ははずすように指示される。私はパスしたが、一緒に行ったメンバーのほとんどがそれでも引っ掛かった。そのうちの1人は靴まで脱がされ、さらにおちゃらけで、ごっつい体格の男性係員に足の裏をくすぐられていた。
ルフトハンザ機での機内食では、いまやすっかり流行のカレー・ヴルスト、つまりカレーソースをかけたウィンナーが出た。おお、いきなり名物が食べられるなんて!冷めていたけどなかなかおいしかった。
ベルリンに着くころにはどしゃ降り。
それよりも、またあの子連れ夫婦と同じ便。
子供は出発から到着まで、「耳が痛い」だの「かゆい」だの大ぐずり。時折、母親の「静かにして」だの「ちゃんと座ってなきゃ危ないでしょ」という声が聞こえるが、例えば耳の痛みのために飲み物とか飴を用意しておくとか、なぜしないのだろう?しかも、一緒にいるオヤジはオヤジで何をやっているんだ。
体罰を下せとは言っていない。それは逆効果だし、外国なら虐待と思われてしまう。
でも、あまりにもお粗末!
ああ、日本の大恥。
ルフトハンザの客室乗務員は、なんというか、豪快な感じ。
以前、ハンブルク→ブレーメンで乗った、エール・フランスのスチュワーデスほどではなかったが、それでも救命胴衣の付け方のデモンストレーションはなかなか。獅子舞状態で楽しめた。 ホテルはヒルトン。
ホテルの玄関には逆立ちしたBearが置いてある。
人の話をよく聞いてなかったのでいい加減なことしか書けないが、BerlinのBerとBearを引っ掛けているらしい。ベルリンを象徴するのが熊であり、街のいたるところに熊の置物がある。ホテルの玄関前にあったような逆立ちしたものもけっこう見かけた。
ホテル内にも、あるいは来る時のルフトハンザ機もそうだったが、日本人の姿が多い。世界陸上が開催されているせいだろう。
ヒルトンのすぐ近くにはコンツェルト・ハウス(Konzerthaus)があった。
その話は次回以降に書くとして(といっても、外観を見ただけだが)、初日の夕食はホテル内のレストランで。その名も「マーク・ブランデンブルク」。おぉ、ブランデンブルク、である。
ここのステーキは美味だった。
1枚というよりは1個という感じの、背の低い円柱。底面積は小ぶりのハンバーグ程度だが、厚みというか、高さが5cmほどある。日本では底面積(大きさ)が広いが暑さは1cm程度のことが多い。その違いが面白い。
ミディアムで頼んだが、中までちゃんと火が通っている。日本でミディアムというと、中はけっこうな生で、食べているうちに血が滴ってくる(実際には血ではなくミオグロビンらしい)。あれはいただけない。生が嫌だからミディアムを頼むのだし、さらに赤い液体が皿にたまるのは気持ちの良いものではない。
この地で、ミディアムの焼き方で中までちゃんと火が通っているということは(しかも表面が焦げて固くなったりもしていない)、日本のミディアムの概念って、ちょっと勘違いしてるんじゃないかな、と疑ってしまう。
もちろんビールも飲む。でも、時差ぼけで意識は希薄。量も飲めなかったし、銘柄も覚えていない。やれやれである……
今日の記事は、ANAを讃える記事とも言えるので、一応はレビュー記事扱いにしておきたい。
新館入口(2014.6.22~)
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