なんだか全身全霊だるい。

 自分でもまったく望んでいないにも関わらず、朝早くに目が覚めるため慢性的に寝不足になっているせいだ。
 前にも書いたとおり、朝早くに目覚めるのは土・日・祝日に関係ない。質量保存の法則やケプラーの第3法則にのっとっている。ということは、私の睡眠サイクルは路線バスの運行ダイヤのレベルにも達していない。バスはちゃんと平日とそうでない日とで運行パターンを変える。でも、私の睡眠パターンは変わらない。ニワトリ並だ。

 おまけに最近は、ちょっと飲みすぎたとき、爽快な朝を迎えるとは言えないまでも、絶命的に具合が悪いということが少ない。むしろ、起床直後から“カオナシ”のように食欲旺盛で、1秒でも早く朝食タイムにしたい(ただし起きてすぐはまだ炊飯中である。炊き上がりタイマーを4時にセットしようとしたが、私以外の家族からいい加減にしろと叱られた)。
 ところがそれは、体調良好な1日を過ごせるという保証ではまったくない。午前10時くらいから具合が悪くなる、たいてい。
 つまり二日酔いの苦痛に襲われることでさえ、タイムラグが生じるのだ。
 歳を取ると、二日酔いになることさえ人並みにできなくなる。
 そのうち、一昨日の飲みすぎの反動が今日になって出るようになるかもしれない。しかも歳のせいで一昨日の行いも記憶に残っておらず、何で具合が悪いのか皆目見当がつかなくなるに違いない。
 あぁ、あたかも200Q年の世界……

 そんな昨日、どんな昨日、あんな昨日、肝機能、ということはともかく、昨日札幌西武が閉店。
 西武になる前、五番館時代の頃の、あのカトレアの柄の包装紙が好きだった。前身は札幌興農園という園芸店。いまでも興農園自体はどこかに残っているのだろうか?

 実は私、大学では植物学を専攻していた。
 札幌興農園に就職することも考えたが、あなたは採用しないと言われた。
 もしそのとき採用されていたら、昨日の夜、西武のシャッターを閉める係を命ぜられていた可能性もゼロではなかったはずだ。

 ところで、植物を学んでいた私から、“四つ葉のクローバー”を作る方法をお教えしましょう(どこかで「四つ葉のクローバーの球根」なるものを売っていたが、クローバーはマメ科植物であり、球根でそういう植物があるなら、それは本物のクローバーではない)。
 実は簡単。驚くほど高密度でタネをまくのだ(クローバーの種子は入手しにくいかも知れないが)。
 鉢に土を入れ、表土が見えなくなるくらいの数のタネをまく。
 やがて芽が出て、葉が密集する。
 そこには多数の“四つ葉”が認められる。
 つまり超高密度という異常な環境のせいで、狂っちまうのだ。
 問題は四つ葉に限らず、五つ葉、六つ葉といったものまで発生すること。それまた珍しいものだが。

 なお、こうやって育ったものはすぐに蕾を持ち、花を咲かす。
 早く開花しタネを作り、それを飛ばしてこの環境から脱しようとするのだ。
 植物は生育環境が悪ければ花をつけやすくなる。
 サボテンを育てているが一向に花をつけない、といった話をときおり聞くが、そういうのはたいていの場合は「かわいがりすぎて」いる。
 環境が良いので植物体を大きくすることに専念し、さらに根元から子供を増やし、その地に安住しようとするわけだ。しかし、少しいじめて育てると(乾燥気味に育てるなど)、植物体は種子をつくり、その次世代を別な地へ“移住”させようとするのである。
 なにごとも過保護は良くないのである。

 ただ、先ほどのようにして得られた“四つ葉のクローバー”は持っていても幸運をもたらしてはくれない気がする……

 私が植物だったら、現状の環境から逃れるべくすぐに花を咲かせ、鳥にタネを遠くまで運んでもらうところだ。