“ロシア5人組”という音楽集団はそこそこ有名である。
そのメンバーのなかでも、R-コルサコフ(Nikolai Andreevuch Rimsky-Korsakov 1844-1908)やムソルグスキー(Modest Petrovich Musorgsky 1839-81)の名は有名である。ボロディン(Aleksandr Porfir'evich Borodin 1833-87)も知られている。
でも、バラキレフ(Mily Alekseevich Balakirev 1837-1910)の名を知っている人はあまり多くない。
なぜか?
あまり作曲家としては成功しなかったからである。あまりどころか、ほとんどと言ったほうが正しいかもしれない。
バラキレフ。
なんとも不思議な響きの名前だ。そのせいか、強烈な個性の持ち主だったらしい。そのせいかわからんが……
きっと性格にもトゲがあったに違いない。
この熱烈な国民主義者の彼こそが、“5人組”を結成したのであった。
彼は、ロシア音楽の祖とされるグリンカ(Mikhail Ivanovich Glinka 1804-57)の後継者を自ら任じて(なかなかの自信家だ)、1860年代に無料音楽学校を創設した。さらに“5人組” を結成してロシア国民音楽なるものを推進したのであった。
バラキレフ以外の“5人組”のメンバーは音楽的にアマチュアであったが、バラキレフはピアニスト、指揮者として活動していた。
しかしである。
先に書いたように、作曲面においてはあまり能力を発揮できなかったようだ。
おそらく彼の作品で比較的有名なのは、ピアノ曲の「イスラメイ(東洋風幻想曲)」(1869)、それから交響詩「タマーラ」(1867-82)ぐらいじゃないだろうか?
彼は交響曲も2曲書いている。
第1番ハ長調は1864年から97年にかけて書かれている(33年間!)。
第2番ニ短調は1900年から1908年にかけてである。
そこでここでは交響曲第2番を。
確かに一般に名曲と言われている交響曲に比べると聴き劣りすることは事実。
ただ、民謡が使われており、それが親しみやすい。
曲は4つの楽章から成り、第1楽章なんか、けっこう斬新な始まり方だ。おやっ、もう終わったのかい、みたいな。
第2楽章ではロシア民謡「雪がとける」が、第4楽章では同じく「われらの庭にある」が使われているという。
聴きなれてくると、けっこう楽しくて、たまに聴きたい部類に入ってくる曲なのである。私的には。
終楽章なんて、なかなかエネルギッシュで楽しい。
私はロジェストヴェンスキー指揮ソヴィエト国立放送交響楽団の演奏によるCDを聴いているが、このCD、YEDANG CLASSICSというレーベルである。韓国のレーベルらしい。なんか怪しさを感じる。原盤はおそらくメロディアだろう。
演奏の録音は1973年。カップリングはスヴェトラーノフ指揮の交響曲第1番。
現在は廃盤のよう。
先ほど書いたように、いかにもロシアといった音楽は、実のところ聴いていて心地よい。
ただ、バラキレフのこの曲が初演されたのは1909年。この年、音楽界ではストラヴィンスキー(Igor Stravinsky 1882-1971)がバレエ「火の鳥(L'oiseau de feu)」の作曲に着手しているし、マーラー(Gustav Mahler 1860-1911)は「大地の歌(Das Lied von der Erde)」を完成させているのだ。
時間をかけてじっくり仕事をするのも悪くはないが、結局のところ発表したときには時代遅れになっていたのだった。丁寧に仕事をしても、時期を失したら意味がなくなる。
これはサラリーマンの仕事でも、立ち食いそば屋の調理でも、作曲でも同じ。
何事もタイミングは大切である、という教訓がここにある←本当かよ?
ところで、バラキレフ、ムソルグスキー、ボロディン、リムスキー=コルサコフはわかったが、じゃああとの1人は誰?ってことになる。
キュイ(Cesar Antonovich Cui 1835-1918)である。
言うまでもないが、ニュージーランドに生息する飛べない鳥とは関係ない。
キュイの代表作はヴァイオリンとピアノのための24曲から成る「万華鏡(Kaleidoscope)」Op.50(1893)の、その第9曲の「オリエンタル(Orientale)」。ほとんどこの1曲しか耳にする機会がない。
「オリエンタル」はセルビア民謡の「明るい太陽」を基にしているが、あんまり明るく感じられない。
ちなみに写真のバラはカレイドスコープという品種。その名のとおり、開花から散るまでの間に、微妙に花びらの色が変化していく。
枯れ井戸スコップ……意味もなく書いてみたかった。
実現できてちょっぴりうれしい。
新館入口(2014.6.22~)
御多分にもれず参加中・・・
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