あ~ァ、永作博美も母親になっちゃうのか……
 熱心なファンどころか、ただ何となく永作博美ってかわいいなと思っている一庶民の私には、嘆く権利なんてないんだけど……

 アイゼンシュタイン氏よ、このことについてどう思う?

 ところでアイゼンシュタイン氏について、巷の一部では疑念が生じている。
 シューマン(Robert Schumann 1810-56)は、架空の団体“ダヴィッド同盟”を設立して架空座談会による音楽評論を行なったが、その座談会のメンバーにフロレスタンとオイゼビウスという人物がいた。この架空の人物2人はシューマンに成り代わって意見を述べたわけだが(簡単に言ってしまえば、彼らはシューマンのペンネームってことだ)、アイゼンシュタイン氏も実はMUUSANの実体なき分身ではないか、という疑念である。

 はっきり言おう。
 冗談じゃない。
 そのせいで、昨日の夜中、就寝中の私は、なぜか左足ふくらはぎが吊ってしまった。
 寝ている間にこむら返りが頻繁に起こるようなら、糖尿病を疑う必要があるらしい。
 でも、昨日の私のはアイゼンシュタイン氏の悪夢のせいだと思う。

 アイゼンシュタイン氏は実在するのである。
 確かに浮遊霊っぽい雰囲気はあるが、実在する。氏が世の中に対して有益な存在か無益な存在か私には判断がつかないが、それでも残念ながら実在する。
 それにもし私の分身、代弁者として作り上げるなら、私はもっとかっこよくて惚れ惚れするようなキャラ設定にする。
 もう一度言おう。
 アイゼンシュタイン氏は私の心に潜む、もう1人の私ではない。間違いなく札幌の街に生息している。
 でも、氏はナガサクヒロミのことは知らない。

 さて、先日のブログ記事で取り上げたが、アイゼンシュタイ氏の上司であるベリンスキー候(侯爵に昇格させてみた)はクラシック音楽、特にショスタコーヴィチを好み、そのうえバラを栽培しているという。
 おそらくバラが好きなのだろう。多くの場合、バラが嫌いならば育てはしないと思われるからだ。

 ベリンスキー候は75株ものバラを育てているというが、残念ながら私にはネコの額ほどの広さの庭しかないため、30株程度で我慢している(本当にネコの額程度なら1株も植えられないが……)。
 ベリンスキー候は広い領地を持っているのだろう。もしかすると園丁(庭師)を雇っているのかも知れないし、もしかするとベリンスキー候は実は園丁で、雇われ先の庭にバラが75株あるというオチかもしれない。

 のうど・かいほう……

 ところで、イエスが園丁(えんてい)の格好をした絵を目にしたことがおありだろうか?
 なぜイエスが園丁に?
 これは、イエスが昇天する前、鋤や鍬を持った庭師の姿でマグダラのマリアの前に現れたという言い伝えがあるからである。かつてエデンの園の園丁だったアダムが、イエス・キリストとして再生してこの世の楽園を再び作るというわけだ。

 どう思う、アイゼンシュタイン?
 スキヤカマだよ、アイゼンシュタイン!

 さて、ここまできたら、キリスト教と薔薇(何となく以下漢字表記)の関係について。
 数年前に随分と売れた小説「ダ・ヴィンチ・コード」。
 このなかにも薔薇とキリスト教に関するウンチクが語られている。クを書き落とさなくて何より……

 例えば、
 ・「roseはギリシャ神話の性愛の神Erosのアナグラムでもある」(アナコンダでなくてよかった)

 ・「バラは秘密の花(ラ・フレール・デ・スクレ)である」(何だかデザートの名前みたい)

 ・「ロサ・ルゴサは花びらが5枚で五角形の対称性を備えており、導きの星である。金星と同じく図像学的に“女性”との結びつきがある」(キンボシと読まないように。ごっつぁんです)

 ・「羅針盤はコンパス・ローズ」「子午線はローズ・ライン」 という。

 なんて記述である。
 へぇ~、そうですか……(全然関係ないが、こういう文を読んでいると、ふと村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の上巻にある、《ペニスとヴァギナは、これはあわせて一組なの。ロールパンとソーセージみたいにね》(170p)という言葉を思い出す)。
 
 ところで、クラシック音楽はキリスト教と深く関わりながら発展してきたわけだが、キリスト教のシンボルである薔薇を直接作品名に使った作品は、私の知る限りではそれほど多くあるわけではない。

 カンタータ「われ、つめに刺さったバラのトゲの痛みに耐えぬ」とか、モテット「ローズ・ヒップはバラの尻の意にあらず」とか、シャンソン「薔薇の枝に打たれ、汝、涙目になれ」なんて作品はない。

 近年になってからは、R.シュトラウス(Richard Strauss 1864-1949)のオペラに「ばらの騎士(Der Rosenkavalier)」Op.59(1911初演)がある。
 また、ハチャトゥリアン(Aram Ilych Khachaturian 1903-78)のバレエ「ガイーヌ(Gayne,Gayaneh)」(1942初演)には「バラの娘たちの踊り」という有名な楽曲がある。ばらの娘たちって何なんだ?トゲ女か?

 私は耳にしたことがないが、フランスのモンシニ(Pierre-Alexandre Monsigny 1729-1817)という人は「ばらと馬鹿者(Rose et colas)」(1764初演)という、私を讃えるかのようなオペラ作品を書いているようだし、サティ(Erik Satie 1866-1925)にも「ばら十字教団の鐘の音(Sonneries de la Rose +Croix)」という作品がある(サティは神秘主義的秘密結社である“ばら十字教団”に接近していたという)。

3773947a.jpg  今日のところはハチャトゥリアンの「ばらの娘たちの踊り」を。
 前にバレエ「ガイーヌ」そのものについて書いたが、「ばらの娘たちの踊り」は「剣の舞」とともに、単独で演奏されることがある。
 CDは前にも紹介した、チェクナヴォリアン指揮による全曲盤(原典版)を。

 ロシアのバラって、野生のバラなんだろうか?
 だって、ロシア(ソヴィエト)で作出されたバラの品種って聞いたことがない。
 「バラの娘たち」のバラはハマナスなんかだったりするかもしれない。
 さあさっ、ジャム作り、ジャム作り……

 それにしても、roseとErosねぇ……。
 確かにそうだけど……。あぁ、KyotoとTokyo 。

 そう言えば、昔、次の二人の名前を一文字ずつ交差して読んでも同じになると聞いてひどく驚き、皇室の奥深さに畏敬の念すら抱いたが、二人とも6文字で2,4,6文字目が共通だからそうなるだけ。あんなに驚く必要はなかったか……

 カ ワ シ マ キ コ
  ×   ×   ×  ×  × 
 オ ワ ダ マ サ コ

 そういえば星飛雄馬の恋人(?)ミナコさんは、薔薇のトゲが爪の奥に刺さり込み、それが原因で死んだ(と記憶している)。
 薔薇を栽培する場合も、十分に気をつけなければ……