ハニカミ王子こと石川遼が最年少賞金王となった。そして、どこへ行った、ぽっちゃり王子?

 ところで、フィギュア・スケートを観ていたら、安藤美姫がモツレクを使って演技していた。モツレクって鶏のモツとレッグじゃない。モーツァルトのレクィエムだ。レクィエムが使われるなんて、意表をついてるというかなんというか……
 それから、どこかの国の何とかいう選手が、その音楽にリムスキー=コルサコフ(Nikolai Andreevich Rimsky-Korsakov 1844-1908)の交響組曲「シェエラザード(Scheherazade)」Op.35(1888)を使っていた。
 この曲、おそらくはR-コルサコフの最高傑作である。
 そして、間違いなくR-コルサコフの作品中、最も有名なものである。
 交響曲でも組曲でもなく、交響組曲である。いろいろあるのだ、音楽って。

b7e5bb98.jpg  私もこの曲を初めて聴いたときには、興奮して興奮して興奮しちゃったもんだ。3つ合わせりゃ「チョー興奮っ」。
 それは“北電ファミリーコンサート”という「札響の第2の定期演奏会」とも呼ばれていた、無料コンサートにおいてであった。
 指揮は飯守泰次郎。
 飯守泰次郎は1940年生まれ。
 その演奏会は1974年10月。
 つまり彼はまだ34歳。確かに若かった。駆け出しだったわけで、こういった無料コンサートなんかに出演して自己アピールする期間だったのだろう。

 つーことは、今は69歳。
 確かに今年1月に札響定期にやってきたときには、ちょいと栄養不21b976d4.jpg足の老人って感じになっていた。精神的には若くてバリバリなんだろうけど。

 人って歳をとるのね。
 どうりで、私の肌にも張りがなくなるわけだ。
 ちなみに飯守と同じ1940年生まれの日本人指揮者には手塚幸紀や“炎のコバケン”こと小林研一郎がいる。コバケンは一部の熱狂的というか狂信的なファンもいるようだし、たぶん3人の中ではいちばん活躍している指揮者だろう。飯守はというと、今さらこう表現するのも変だが、伸び悩んでいる感じ。で、手塚君はどこにいるんだろう?

7f8894f5.jpg   とにかく、1974年10月のコンサートには酔ったねぇ[E:bottle]。
 この日私は、ドヴォルザークの弦楽セレナードとR=コルサコフの「シェエラザード」を知ったのだが、ドヴォルザークも心に残った。
 でも、シェエラザードは最初から最後まで感激して聴いていた。冷静に言うなら、演奏がどうのこうのじゃなく、その曲に対してなのだが。

db02ae3e.jpg  第1楽章の低弦が波のうねりを表現している?なるほどぉ~!と感心。
 そして、第1楽章に現われるクラリネットとフルートによるとても印象的な動機(いちばん上の楽譜。なお、掲載楽譜は全音楽譜出版社のもの)。これを忘れまいと、帰りのバスで頭の中で何回も反芻した(翌朝すっかり忘れていたけど)。
 第2楽章のオーボエのメロディーに萌え(2番目の楽譜)、それから、(これはもちろんスコア=3番目の楽譜を見て初めて知ったのだが)「1小節の中にこんなにオタマジャクシ(音符のこと)がある。まるで、春先にピクニックにいったときに見た山のふもとの水たまりのようだ」との連想を抑えきれない光景(つまり卵からオタマジャクシがかえって、うじゃうじゃ泳いでいるわけ)。さらには、強烈な一打でビシっと終わる第2楽章の最後。
 もう子供(当時の私のこと)も萌え萌え!

 不満に思ったのは、ここまで来たんだから曲全体も派手っちく終わってほしいなってこと。
 曲の標題性なんてあまり考えない、子供のわがまま。

 翌日は学校が終わったらすぐに、近所のとっても小さなレコード店に行き、シルヴェストリなる指揮者(高名だった指揮者だ)がボーンマス交響楽団を振ったセラフィム・レーベルの廉価盤LPを買った。どーでもいいけど、このシリーズ、なんであんなウ〇コみたいな色のジャケットだったんだろう。のちにブルーに変わったけど。

 その後もこの曲は好きで、札響のプログラムにのるとワクワクしたものだが、なぜかある時、突然熱が冷めてしまった。これは謎である。あんなに好きだったのに、男って勝手よね。

 フセインの悪事のせいか?
 いや、それはもっともっとあとのことだ。
 たぶん、曲への興味というより、もっともっとやってくれぇ~いという、ガンガン鳴るような好みの演奏に出会ってないせいのような気がする。だから欲求不満になるのだ。

 学生の頃にフェドセーエフが振った新譜のLPを買ったことがある。高品質録音というふれこみ。針飛びにご注意くださいなどと書かれてあった。注意書きを書くくらいなら、針飛びしないような技術を施してから発売して欲しかったものだ。
 でも、この演奏は良かった。ジャケットも絢爛な色遣いで、ペルシャ良いとこ一度はおいで、みたいな感じだった。
 ソヴィエトのオケにありがちな、いけいけゴーゴーッ!っていう力任せの演奏だったが、繊細な面も多く、私は好きだった。メリハリだよ、おっかさん!
 残念ながらいまはこの録音のCDを持っていないが、今度買ってみようと思う。

 それでもピンと来なかったら、もう私は「シェエラザード」があんまり好きでなくなったか、歳のせいで刺激を感じにくくなったかのどちらかだろう。

 私が今持っているCDは、アシュケナージのものとチョン・ミュンフンのものだが、私にはロシア臭さが足りなく思うし、アシュケナージのは何と言うかまったく感じない。バイアグラを飲んでもきっとだめだろう、私には。
 そうそう、“炎のコバケン”もこの曲のCDを出しているから、それも聴いてみる価値がありそうだ。

 そういえば、昨日の昼のNHKローカルで、派遣社員の不当な首切りについて相談を受ける“派遣切りホットライン”が開設されたというニュースをやっていた。
 お定まりのようにわざとらしく電話の着信音が鳴り、相談員が電話を取る画像。
 ところが、その相談員のおじさん、ふつうなら「はい、派遣切りホットラインです」と出るべきところを、「もしもしぃ~」と出た。
 やれやれ……
 こんな電話応対なら、このおじさんが派遣社員だったとしたら即刻切られるな、と思った。