この数日で雪が積もり、外はすっかり冬景色になってしまった。
 そりゃ、外ではなく家の中が冬景色になってしまうよりは自然なことであるが(ただし精神的には冬景色を通りこして第24次氷河期に入っているような気がする。当家は)、それでも長い冬の始まりだと思うと心が和む、いや、すさむ。

 この雪で、オープンできないと困っていたスキー場の経営者はほっとしているだろうし、サンタクロースのそりが滑らないのではと不安になっていた世の中の穢れを知らない子供たちは、もっと大きなプレゼントを頼むことにしようと変更を目論んだことだろう。

 冬らしさが随所にみられるのだが、おとといの出勤途中は、純白とまでは言えないが、白くなった空き地で、カラスが楽しそうに飛び跳ねていた。
 が、よく見ると、それはペンギンだった! (←決して信じないでください)
 駅に着いたら、私は衝動的にクールミント・ガムを買ってしまった。
 
 ということで、ヴォーン=ウィリアムズの「南極交響曲(Sinfonia antartica)」である。
 彼の交響曲の通し番号では、第7番となる。作曲は1949~52年。

 この交響曲は、ヴォーン=ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams 1872-1958 イギリス)が1948年に書いた、映画「南極のスコット(Scott of Antarctic)」のための音楽を素材にして改編したもの。
 映画「南極のスコット」は、なぜか南極大陸に住み続けることになった孤高の老人スコットとペンギンたちとの温かな心の触れ合いを描いた作品、ではなくて、1912年に南極に到達したスコット隊長が、帰路は吹雪に襲われ、隊員たちとともに凍死した、という事実を描いた映画である(らしい)。
 交響曲の方は、このストーリーを追っているのではなく、探検隊の人々の心理を描写していると言われる。
 曲は5つの楽章から成り、各楽章の最初には、シェリーの詩、聖書の詩篇の第104章、コールリッジの詩、ダンの詩、スコット隊長の日記の最後の一節が書かれている。
 シェリーとかコールリッジとかダンのことは、皆さんご存じだろうか?
 私は知らない。
 聞いたことがあるのは、ダンぐらいだ。ウルトラセブンの人間時の源氏名ダン……

 楽器編成は拡大させた打楽器群を伴うオーケストラ(ピアノ、オルガン、チェレスタ、ハープを含む)のほかに、ナレーター、ソプラノ独唱、女声合唱となっている。

 ところで、南極大陸は英語でAntarcticaである。「南極の」ならばantarcticである。
 ところが、この交響曲第7番のタイトルはSinfonia antarticaで、cが抜けている。
 この点について、ハロルド・C・ショーンバーグは「大作曲家の生涯」(共同通信社)のなかで、相変わらずちょっぴり意地悪っぽく次のように書いている。

 《「交響曲第7番シンフォニア・アンタルティカ」(Antarctica=南極大陸=とは書かれていない)は、ヴォーン=ウィリアムズが自作の映画音楽「南極のスコット」を交響曲に作り直したものである》

 まあ、なんと言いましょうか、アンタルティカなる架空の世界を描いてると言いたいようにも解釈できます。そうなのかもしれませんが、私にはわかりません。
 ああ、桃源郷……

 Sinfonia antarticaはイタリア語である。イタリア語では南極のことをどう書くのだろうか?
 antarticaという単語はないのだろうか?

37620d5c.jpg  私が聴いているCDはボールト指揮ロンドン・フィル他のメンバーによる演奏のもの。1969年録音。EMI。ヴォーン=ウィリアムズの交響曲全集である。

 そのヴォーン=ウィリアムズだが、ほぼ同世代のイギリスの作曲家エルガー(1857-1934)が近年再評価されてきているのに対し、今のところその動きは見られない。
 今後、評価がどう変わっていくかが気になる作曲家ではある。

 話はバックギアに入って、昨日の記事の中で間違った記述をしてしまった。
 〇〇(と多少悪意をもって書いた)の「とろろ」話のことだが、私の記憶違いだった。
 〇〇は定食屋で「とろろ」を「トトロ」と間違えたのではなかったのだ。
 何かの話から「となりのトトロ」の話題になったとき、〇〇は「ウチのかみさんもトロロが好きなんですよ」と言ったのが真実だ。
 でも、冷静に考えると、たまたま「となりのトトロ」の話をしているときに、〇〇は急に自分の妻が「とろろいも」好きなことを自慢したかっただけかもしれない。

 さて、今日はクリスマス・ネタだと思った人、残念でした。
 でも、じゃあ、Merry  hristmas!

 さっ、いよいよ冬道。
 これまでは多少底が減った靴でも(もちろん冬靴でだが)滑らないと考えていたが、そろそろきちんとした冬底の靴、これで踏まれたら悲鳴が出そうな底の靴、を履いて出勤しなければ!