昨夜18:00から、札幌のパークホテルで民主党・北海道の新春パーティーとやらが開かれた。
 たまたま用があって、17:30過ぎに地下鉄で移動し中島公園駅から地上に出ると、警察による厳重な警備態勢。小沢一郎が来るからだ。
 雪でただでさえ道が狭まっているのにこの警備だ。
 ひどく渋滞していた。

 その中島公園から1本か2本、すすきの寄りに戻った東西の道路。
 その道も雪で車がすれ違うのがやっとという狭さになっていたが、こともあろうにそこで客待ちなのかどうか知らないが、ハザードをつけた空車のタクシーが停車している。
 後ろから来た車は、対向車線も車が連なっているのでそれを追い越せない。
 対向車線のタクシーの運転手がさすがに「そこ停まるな!」と、停車したままゾウガメのように居座っているタクシーに、窓を開けて怒鳴っている。停車しているタクシーの後ろの車は、困惑したままだ。
 ところがその停車タクシーの運転手は「なんでだよ!」みたいな表情で、逆に注意したタクシーの運転手をにらみ返し、数十センチ前に動かしただけ。
 まったく、こいつ、プロのドライバーっていう意識がないのだろうか。
 私は決めた。
 この大迷惑停車をしていたSKグループのピンク色の車体の会社の車には絶対乗ってやらない、と。そうです、札幌のある地域名が社名になっているところです。

 雪道の話、というか、これはショッピング・センターの駐車場で見かけた話。
 昨日のことだ。
 スーパーの駐車場で、通路と駐車スペースの境目がわかるように置かれたカラーコーン(雪が積もると地面に引かれたラインがまったく見えなくなるので)。
 そのカラーコーンを轢き、それを腹に引っかけたままお帰りになった車を見かけた。
 路面が凍っていたため、コーンも心地よさそうだった、ってことはないが、あのもみじマークのじいさん、そんなんだったらもう車の運転、やめて欲しい。

 そのコーンで思い出したのが、ファリャ(Manuel de Falla 1876-1946 スペイン)のバレエ「三角帽子(El Sombrero de Tres picos)」(1918-19)。
 コーンは三角じゃなくて円錐形だが、正面から見たら三角形に見える。
 それにコーン型の、いわゆるとんがり帽子、クリスマスの夜にノリスケさんがそれをかぶってサザエさんちを訪問するような、あの魔女帽子のことを、どうしても連想してしまう。三角帽子という言葉からは。

 でも実際には全然違う。
 ウィキペディアで確認してほしい。
 私も今回やっと知ったのだけど。というか、知ろうという学習意欲がなかったんだけど。

6d525774.jpg  2幕から成るバレエ「三角帽子」の台本は、ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン(1833-91)の同名の小説からグレゴリオ・マルティネス・シエラが書いた。
 ファリャは1916年から17年に、パントマイム「市長と粉屋の女房(El corregidor y la molinela)」を作曲していたが、ディアギレフの勧めでバレエ音楽に改作した。

 三角帽子というのは権力の象徴で、これをかぶる市長が粉屋の女房に言いよるものの……という喜劇。

 クラシック音楽においてスペインの作曲家というのはそう多くない。
 ファリャはスペイン民族主義楽派であり、この「三角帽子」も異国情緒あふれた楽しく色彩的な音楽となっている。といっても、親しみやすい中に5a388e1a.jpg も過激さがあって刺激的でもある。

 バレエは、序奏(ここではオーケストラ団員が「オレッ!オレッ!」と掛け声をあげるが、かつて札響の定期で聴いたときには、楽員が恥ずかしそうな表情をしていた)のあと、第1幕に入る。第1幕は、「昼下がり」、「粉屋の女房の踊り」、「葡萄の房」の3曲。
 第2幕は「隣人たちの踊り」、「粉屋の踊り」、「市長の踊り」、「終幕の踊り」の4曲。

 「三角帽子」には第1幕、第2幕それぞれを抜粋して作った2つの組曲があり、特に第2組曲がポピュラーだが、ぜひとも全曲を聴きたいところ。全然退屈しないですから!

 シュニトケの「エスキース」というとっても楽しい曲のことを書いたとき、「老人と子供のポルカ」チックな音楽がベートーヴェンの交響曲第5番の「運命動機」の登場でさえぎられることを52a85d79.jpg 書いたが、実はこの「三角帽子」でも「運命動機」が使われている。
 第2幕の「粉屋の踊り」のなかだが、ドアをノックする音を「運命動機」で表現しているのである(この部分は組曲には入っていない)。ちょいとしゃれたユーモアだ。ホルンが吹く、その部分のスコアを載せておく(掲載スコアは日本楽譜出版社のもの。写真は2枚にわたっているが、楽譜は上から下へ続く)。

 演奏で私が気に入っているのはプレヴィン/ピッツバーグ響、メゾ・ソプラノ独唱がフレデリカ・フォン・シュターデによる演奏(1981年録音。フィリップス)。ノリがよくてしゃれっ気があって、この曲の演奏にぴったりと思っている。
 しかし、現在のところ廃盤のよう。
 だとしたら、次にお薦めなのはデュトワ盤かな……

 プレヴィンといったらジャズからクラシック音楽へと転向した人。私がクラシック音楽を聴き始めたころにはすっかりクラシック界の人になっていた。
 このあいだ、何かの本でジャズの話が書いてあり、プレヴィンの名前が出てきた。そんなところでプレヴィンの名を目にするなんて不思議な感じがした。
 しかし、その本が何だったかさっぱり思い出せない。最近の出来事なのに……
 村上春樹の本だったような気がするが……