昨日、高松にやって来た。
 寒い寒い新千歳空港から羽田へ。
 羽田はあったかい。ボーディング・ブリッジを歩くだけで春の雰囲気が感じられる。

 そして、乗り継いで高松へ。

 私の思い込み的概念からすると、羽田よりも暖かいと思ったら、ぜ~んぜんだ。
 けっこう寒い。
 13:30の時点で3度。
 こりゃ、客観的に寒い。

 一緒に来た同僚と、空港1階の“瀬戸”という寿司屋に入る。
 ほかに飲食店が目に入らなかったのだ。
 あとから調べたら、2階にはうどん屋なんかもあったのに、短絡的に目の前の幸せにすがりついてしまった私。あぁ、22歳の別れ……

 ご存知のように、私は刺身系があまり得意ではないのだが、ここの寿司は美味しかった。
 ネタの種類が北海道とはまたちょっと違う。
 でも、美味しかった(1人前1,800円)。
 だが、量が少なかった。
 そこで追加でマグロ2貫と玉子2貫を追加注文。もちろん私1人で食べるためではなく、同僚と2貫ずつ食べるためだ。この追加分だけで1,000円(玉子1貫200円、まぐろ1貫300円。やっぱりお好みは高い)。でも(今日はでもが多いな)、盛り合わせには入っていなかった玉子が、秀逸的美味であった。

 高松市内に入る。
 夕方まで用事なし。この日の夕方からの用事というのは夕食を食べることだ。
 ホテルの部屋でうとうととかわいらしく寝てしまった。
 う~ん、疲れてるな。
 この前の日曜の出張のときから風邪気味。
 今日ものどがけっこう痛いし、タバコがあまりおいしくない。

a8fbaea8.jpg  ところで今回の出張では、村上春樹の「象の消滅」(新潮社)と「夜のくもざる」(新潮文庫)を買い込んで持ってきた。
 千歳⇔羽田便の中でもうつらうつらしてしまった私だが、そのような過酷な条件下でも「夜のくもざる」は読み終えてしまった。実は「夜のくもざる」は、これまでいつも書店で手にとっては買わないでいた本。
 圧倒的に文字数が少ないから……。なんか損した気分になりませんか?
 「夜のくもざる」は村上春樹が広告用に書いた「短い短編」集である。

 その最初に出てくる物語が「ホルン」。
 ホルンとホルン吹きとの運命的な出会いについて書いた、ユーモアあふれる思考の内容。って書けば高尚だが、何のことはない、意味のない理屈っぽさで読者を楽しませようとするものだ。

 そこに、《ホルンとホルン吹きは今手に手をとって晴々しい舞台に立ち、ブラームスのピアノ・コンチェルトの冒頭の一節を奏しているのだ》とある。
 そう、これは村上春樹の好きな、ブラームス(Jahannes Brahms 1833-1897 ドイツ)のピアノ協奏曲第2番のことだ。
 村上春樹は「ノルウェイの森」でもこの曲を登場させているが、うん、この曲が好きということは、精神的には病んでいない。たぶん。でも、レイコは病んでいるか……。いや、レイコがレコードが擦り切れるまで聴いていたころは、まだ病んでいなかった……って、私が循環参照エラーに陥ってる……。

 ピアノ協奏曲第2番については以前触れているので、ここでは「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」イ短調Op.102(1887)について。

 ベートーヴェンも複数楽器を独奏とする(日本語が矛盾しているけど)協奏曲を書いているが(「ピアノ,ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲」ハ長調Op.56)、それを真似たかどうかは知らないが、ブラームスも書いているのである。ベートーヴェンの三重協奏曲があまり陽の目を見ない作品であるのに対して、ブラームスのこの協奏曲の方は少なくともベートーヴェンのものよりは有名である。

 しかしである。

1477b5d0.jpg  私はこの曲の第3楽章―非常に親しみやすいメロディーだが―を聴くと、なぜかイライラしてくるのである。ドンくさいというか、何というか、とにかく私の神経を逆なでする。この曲のファンの方には申し訳ないが……

 ところで、この二重協奏曲はブラームスが書いた最後のオーケストラ作品である。
 ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムとチェリストのロベルト・ハウスマンのために作曲されたが、当時のブラームスはヨアヒムと関係が悪化しており、関係修復のために書いたと言われている。

 私にとってはこのような位置づけの作品なので、CDもテキトーなものしか持っていない。
 テキトーというのは、このCDの演奏が悪いというのではなく、ほかの演奏と比較するような聴き方をしていないということである。
 一応そのCDを紹介しておくと、マルティンのヴァイオリン、ヘルマーソンのチェロ、マンデール指揮ジョルジュ・エネスコ・ブカレスト・フィルによる演奏。すっごい名前のオーケストラだな……。アルテノヴァ・クラシックス。1996年録音。

 さて、夜の7時に東京から同じ出張目的の社員が1人やって来て合流。
 何を食べようか、ということになる。
 面倒になって、一瞬“高田屋”に入りかけたが、香川にまで来て北海道発祥の“高田屋”に入るのは、いささか問題ありだ。

 ホテルの近くの和食の店に入る。
 創作和食というジャンルになるのだろう。
 飛込みで入った店だったが、なかなか美味しい。
 特に、1日30個限定というエビのクリームコロッケが絶品だった。貴重なものを2個も食べてすいません。
 若い夫婦がやっている店で(たぶん)、感じの良い、きびきびとしているが鋭角的ではない奥さんに好感が持てる。
 この若奥さん(って、多少いやらしげな言い方だ)、“クッキングパパ”の奥さんに感じが似ていてかわいかった。
 とても素敵な若妻である、って書くと、がぜんにわかにいやらしげになる。すいません。
 ご主人のほうは、特にアゴが長いとか張ってるってこともなく、こちらも感じのよい人だった。

 店の名前は、「遊食 ゆめや」。
 高松市瓦町2丁目1-7 クイーンズスクェア第3ビル1階。
 電話087-837-0089。

 さて、本日も高松に滞在である。