ドヴォルザークの「スラヴ舞曲第1集」に続いて取り上げるのは、当然のこととして「スラヴ舞曲第2集」ってことになるのが自然だが、この作品、私はけっこう思い入れがあるのでまだ出し惜しみ。
IND氏によるトンボの死骸のような疲労が残っているときに、甘美で切なく、といはいえどこか幸福感のある「スラヴ舞曲第2集」について、書きたい気分にならない。
ところで、IND氏との会食は札幌ESTA10階の四川飯店で行なったが、ここの麻婆豆腐とタンタン麺は本当に美味しい(写真はイメージ。札幌ESTAの四川飯店のものではありません)。タンタン麺はここと江別駅横の“えべつみらいビル”にある「松の実」のものが最高だ(最高に私の口に合う。ただし、この両者の味は対極的とは言わないが、別なベクトルである)。
ひとつだけ気がかりなのは、“みらいビル”というこの建物、あまり明るい未来を感じさせない点だ。
麻婆豆腐については、ESTAの四川飯店のものが、私にはこれまで食べたあらゆるものよりも、ここのが好きである。
で、土曜日の朝、クモの巣に絡まったトンボのような気分で目覚めると、台所に“エバラ担々ごま鍋の素”が置いてあった。
やれやれ、今日の夜はタンタンか……
昨日美味しいタンタン麺を食べたのに……
やれやれ……
ちなみに陳建民(陳建一の父)によると、タンタン麺というのは、四川省で夜鳴きそば屋がこれをかついで売り歩いたもので、担ぐ、つまり担々麺の表記が正しい。よくある坦々麺という字は誤り。
エバラの素も、ちゃんと“担々”と書かれている。
夜鳴きそばと言えば、みなさんすぐにこなきじじいを思い起こすだろうが、クラシック音楽にそのような曲はないので、「スラヴ舞曲第1集」のときにとても良い人として登場したブラームスの、これまた「スラヴ舞曲」つながりで「ハンガリー舞曲集(Ungarische Tanze)」を。
ブラームス(Johannes Brahms 1833-97 ドイツ)は、ワーグナー(Richard Wagner 1813-83 ドイツ)と同時代の大作曲家だが、この2人は正反対に位置する存在だった。
ワーグナーが革新的だったのに対し、ブラームスは古典派であり、抽象的な形式の作品を書いた。オペラも標題音楽も書かなかった。
ブラームスは音楽の発展にはほとんど寄与することがなく、存命中も進歩的な人たちは彼を軽視した。ワーグナー派のウォルフ(Hugo Wolf 1860-0903 オーストリア)は、ブラームスの新曲が発表されるたびに躍り上がってこれに食らいつき、笑いのめしたという。
マーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)は、ブラームスを「いささか狭量のマネキン人形」と読んだ(以上、H.C.ショーンバーグ「大作曲家の生涯」(共同通信社)による)。
それが、今や“ドイツの3大B”の1人なんだから、歴史はわからないものだ。
そのブラームスがまだ20歳の時の話。
彼はハンガリーのヴァイオリニストのエドゥアルト・レメニーのピアノ伴奏者として約1年ほどの間、演奏旅行で各地を訪れた。
この間、ブラームスはレメニーから多くのハンガリー・ジプシー音楽を教わった。
それから16年後(ブラームスは何でも時間がかかるのだ)、1869年にそのときの資料をもとにしてピアノ連弾用の「ハンガリー舞曲集」をジムロック社から出版した。
10曲から成るこの曲集は大ヒット。
それから11年後(とにかく時間がかかるのだ)の1880年、11曲から成る第2集をジムロックから出版し、全21曲から成る「ハンガリー舞曲集」が完成した。
出版されたとき、レメニーからこの曲集は著作権侵害だと訴えられたというが、結局はブラームスの“編曲”ということで落ち着いた。
全21曲中、第11、第14、第16曲はブラームスの創作、つまりオリジナルと考えられている。
またオーケストラ編曲は(現在ではピアノ連弾としてよりはオーケストラ編曲版で聴かれることの方が多い)、ブラームス自身が行なったのは第1、第3、第10番の3曲だけで、ほかはドヴォルザークなどが行なっている。
ここで紹介するヴェラー指揮ロイヤル・フィルのCDでは、第2番がハレン、第4・8・9番がショルム、第5~7番がシュメリンク、第11~16番がバーロー、第17~21番がドヴォルザークの編曲による版が用いられている。
録音は1982年。デッカ。
でも、廃盤。ごめん。
「何々?ブラームスはジプシーの音楽を編曲しただけ?しかも、それをオーケストレーションしたのはたったの3曲?けしからん。じゃあ、管弦楽版なんて聴きたくない」という方には、連弾によるCDを。
ベロフとコラールの連弾。1973~74年の録音。EMI。
さっ、月曜日だ!
楽しい仕事が始まる。
新館入口(2014.6.22~)
御多分にもれず参加中・・・
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クラシック音楽、バラ、そして60歳代の平凡ながらもちょっぴり刺激的な日々について、「読後充実度 84ppm のお話」と「新・読後充実度 84ppm のお話」の2つのサイトで北海道江別市から発信している日記的ブログ。どの記事も内容の薄さと乏しさという点ではひそかに自信あり。
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© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
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なかなかさりげなくマニアックな(と書いてる私は思ってます)箇所で密かにウケていただき、私としては非常に嬉しいです。これからも精進します(笑い)。
ハンガリー舞曲では、私は第1番がいちばん好きです。