「“江戸城”の火災で死んだ人って、なんだか気の毒すぎるねぇ」という話になった。
すすきのの老舗ソープランド“江戸城”で火災が発生し、客が1人と(記憶に間違いなければ)店員―ソープ嬢?―が亡くなったのだ。もうおととしのことになるんだろうか?
そのお客さんは、札幌に出張に来ていたという。
運が悪いとしか言いようがない。
きっと葬式もしてもらえないんじゃないか、ってことでコンセンサスが得られた。
そりゃそうだ。
家族にとってみたら恥ずかしいったらありゃしない。
私も出張が多いから気をつけなきゃ。
いやいや、ソープランドには行かないけど、泊まってるホテルが火災になることだってあるのだ。
昨年の暮れ近くだと思うが、会社の喫煙コーナーでタバコを吸いながら眼下の道路を見ていたら(そのときはバナナを食べてる人はいなかった)、偶然にも荷台に江戸城の汚らしい看板を積んだトラックが走っていくのが見えた。
あっそうか。
その話から冒頭の会話になったんだった。
やっと撤去したのか、どこかに置いてあったのを処分しに行くのかしれないけど、なんか縁起でもないものを見た気になった。
そして、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番を聴きたくなった。
無性に。
モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)はヴァイオリン協奏曲を7曲書いている。
ただし、1780年頃に書かれたとされる第6番変ホ長調K.268(C14.04)はモーツァルトの作かどうか疑問で、少なくともオーケストレーションは他人によるものと考えられている。
また、1777年作曲の第7番ニ長調K.271a(271i)は、1907年に楽譜が発見されたものだが、様々な加筆があり、モーツァルトの原曲とは言い難い作品である。
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調「トルコ風(Turkish)」K.219(1775)は、終楽章のロンドにトルコ風の楽想が用いられているためにこの名がつけられている。
トルコといえば、モーツァルトのピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331(300i)(1783)の終楽章のロンドも「トルコ風(Alla Turca)」と指定されている。あの有名な「トルコ行進曲(Turkischer Marsch)」である。
そう、かつて由紀さおりとその姉が紅白歌合戦でア・カペラで歌った、「トルコ行進曲」である。あれは正気の沙汰ではなかった、私には。あのせいで良い年越しをできなかった気がする。
いずれにしろ、トルコという非ヨーロッパ的なものへの興味があったのだろう(由紀さおりがではなく、モーツァルトや当時のドイツ圏の人々にとって)。
日本だって、ソープランドのことをかつてはトルコ風呂と言っていた。
なぜトルコなのか?
単なる異国情緒?
これは前にも書いたのでソートウしつこいのだが、“江戸城”の残骸を見て、なぜヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」を聴きたくなったのかというと、徳間ジャパンのCD広告大誤植事件のせいである(この件に触れるのはこれで最後にしよう)。
やれやれ、まったく強烈な印象を残してくれた。
こんな素敵な曲なのに、私はこれからもこれを聴くたびにあの看板の残骸を思い出すのだろうか……ぎゃぽーっ!
前回はシェリングの独奏、ギブソン指揮ニュー・フィルハーモニー管弦楽団のCDを紹介したので、今日は廉価盤のブリリアント・クラシックのものを。
Emmy Verheyのヴァイオリン、Eduardo Marturet指揮のコンセルトヘボウ室内管弦楽団による演奏。1989年録音。
なおこのCDにはヴァイオリン協奏曲第5番の第2楽章のもう1つのアダージョかもしれないと考えられている、「ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調」K.261なども収録されている。CDの詳細については ↓ から。なお、掲載した写真と現行盤のデザインは異なる。
そういえば、大阪に勤務していたときに取引先の部長から聞いた話だが、その部長の知り合いの人が阪神大震災の当日、愛人とホテルで密会、お泊りしていたそうだ。
その2人、なんとか無事だったが、もし地震で何かあったかと思うとぞっとすると、話していたそうだ。
そりゃそうだ。
地震や火災……何がいつどこで起きるかわからない。
死ぬときぐらい、あとからとやかく言われないような死に方をしたいなぁと思っている私。


なんか、わざとっぽいですよね。でも、すばらしい誤植です。