とても不思議なことだが、私はこれまでの人生でサトコさんという名前の女性が身近にいたことがほとんどない。1人だけだ。以前、隣の課に聡子さんという名の女性がいたことがあるぐらいで、クラスメートにも親戚にもいない。
まっ、頭悩ますほどのことじゃないけど。
小学校時代を過ごした浦河町を訪れ、通っていた小学校を見たとき、そんなことを考えてしまった。私の郷愁というのは、どうしてこうねじ曲がった形で出てくるのだろう。
浦河町立堺町小学校は、かつてとは違い、モダンな色合いの建物になっていた。 でも、建てなおされたとはいえ、その建っている位置は昔と同じだった。ただ、学校全体が昔はもっと大きかった。写真の建物の裏の方にも逆コの字型で校舎があったのだが、裏手は広場のようになっていて、遊具まであった。だから裏手にすぐに迫っていた、岩がむき出しとなった山は遠のき、その岩肌もなくなっていた。普通の丘のようになっていた。子どものときは、この岩肌でたくさんの化石を探し出したものなのに。
学校の横にある教職員用の一軒家の住宅は、昔と同じまま建っていた。屋根のペンキは薄れ、木の壁はほとんど朽ちる寸前のようだったが、それだけは当時のままだった。まだ誰か住んでいるのだろうか? この浦河訪問の話の続きはまたの機会にして、サトコである。
リムスキー=コルサコフ(Nikolai Andreevich Rimsky-Korsakov 1844-1908 ロシア)の「サトコ(Sadko)」。
R=コルサコフには「サトコ」という名の作品が3つある。
最初の曲は「ブィリーナ『サトコ』からのエピソード」Op.5で、1867年に作曲された。
ブィリーナというのは、伝承叙情詩である。
この作品は改訂され(1869/'92)、音画「サトコ」Op.5となる。これが2つ目。
そして3つ目は、7場から成る歌劇「サトコ」(1894-96)である。台本は作曲者とV.I.ベルスキーによる。
このオペラは、中世の伝承叙情詩(つまりブィリーナ)に歌われているサトコの物語から、音画「サトコ」の楽想をいくつか借用して作られている。筋は、バルト海の商業都市ノヴゴロドを背景に、ブィリーナ歌手のサトコが、海王の娘ヴォルホワの助力で商船隊を組んで海に乗り出し、数奇な運命をたどる、というものである。
ここでは音画「サトコ」を。 音画「サトコ」は、サトコの海底王国での冒険を描いたもの。
R=コルサコフは海軍士官であったが、そのために海には“詳しかった”のだろう。
この曲でも海の描写が聴きものである。
CDは、以前にも紹介した、スヴェトラーノフ指揮ロシア国立管弦楽団のものを。
1993年録音。BMG-RCA。
なお、上に載せたCDはMilton Katims指揮シアトル響のもの。
いかにもロシアっぽいデザインなので載せてみた。
そういえば、子どもが生まれたとき、ウチもミルトン使ってたなぁ。
新館入口(2014.6.22~)
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