現在、庭のバラは1弾目の花盛りを終え、次の開花までの小休止中である。とはいえ、それでもいくつかはしぶとく(これじゃあ誉めていないみたいだけど)咲いている。
コガネムシは誘ってもいないのに多数襲来し、今咲いている花を食し、人目もはばからずそのあたりで交尾する。アダルトビデオに出てくるような変態カップル以上に変態的だ。何しろ行きずりでいきなりだもん。
そんなこともあって、満開になるかならないかで、すぐに花柄を摘むようにしている。この夏は特にこの変態虫の発生数が多いらしく、やつらに忌避効果あるいうパセリも、これじゃあ株数不足だ。
昨日の朝、そのような作業をし、ニコルという品種のバラを見ると、おぉ、花にカエルくんが腹這いになっているではないか!
まぁ、仰向けのカエルって、少なくとも元気なヤツでは見たことないけど。
前に書いたように、とにかくわが家の庭の場合、ニュー・アヴェマリアという品種のバラをカエルくんたちが休憩コーナーにしていることが多いのだが、ニコルで見かけるのは初めてだ。
私が、その周囲の花に寄ってきているコガネムシに“カメムシ・キンチョール”を噴霧していても、びくともしない。カメムシ・キンチョールはコガネムシにすごく有効ではないが、体表が濡れるくらいかけてやるとさすがにもがいて(後ろ脚を上に上げるのだ。あいつら、何かっていうとすぐに後ろ脚を上げる)、死ぬ。
本当はゴキブリ用殺虫剤が即効で痛快なのだが、残念ながら北海道では売っている店がほとんどない。
私はこのカエルくんを、ニコルくんと名づけることにした。
というのも、ニコルの花のなかでノターァとしていたからである(おお、聖書的な言い回しだ)。
ニコルくんは私に微笑むかけるわけでもなく、かといって嫌そうな顔をするわけでもなく、とろんとした目をしている。
暑くないかいと声をかけても、無言である。
無言の方が自然でありがたいが……
私がコガネムシと戦っているのを見て、少しは手伝ってやろうとは思わないのだろうか?
パクリと食べてやろうって気にならないのだろうか?
まあ、美味くなさそうだもんな。 コガネムシとの戦いというところから、強引にシャイト(Samuel Scheidt 1587-1654 ドイツ)の「戦いの組曲」。
シャイトの名は一昨日のシュッツの記事のときにも出てきたが、そのシュッツ、そしてシャインとともにドイツ初期バロック音楽の「3S」と呼ばれている人だ。
シャイトの生まれはドイツのハレ。アムステルダムでスヴェーリンクに学んだ。
「戦いの組曲」は昔からフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル(PJBE)が良く取り上げていた作品だが、実際にこのような名前の作品をシャイトが書いたのではないようだ。
というのも、シャイトの作品にはこのような名前のものがなく、この組曲を構成する3曲、すなわち「戦いのガイヤルド」「悲しみのクーラント」「イギリス風ベルガマスクの模倣によるカンツォーナ」は、いずれもシャイトの「音楽のたわむれ(Ludorum Musicorum)」という曲集に含まれるからだ。
ということは、PJBE(あるいは別な人)によって再構成された組曲と考えた方が良いだろう。
「音楽のたわむれ」(1621出版)は32曲からなる。
シャイトは4部に及ぶ曲集を考えたようだが、結局は第1部にあたるこの「音楽のたわむれ」だけが完成した。
「戦いのガイヤルド(Galliard battaglia)」は第21曲、「悲しみのクーラント(Courant dolorosa)」は第9曲、「イギリス風ベルガマスクの模倣によるカンツォーナ(Canzon ad imitationem bergamaas angle)」は第26曲にあたる。
シュッツは三十年戦争(1618-48)で疎開もしたというが、シャイトの戦いに関するこれらの曲も、この同じ戦争を背景として書かれたのかもしれない。
「戦いの組曲」を含むPJBEのCDは「戦い/P.J.B.Eバロック・コンサート」というタイトル。
この曲の録音は1974年。デッカ。
ただし現在は廃盤。
あれから3時間後。
ニコルくんはいなくなっていた。
散歩にでもいったのだろうか?
こんなことならもっとよく観察しておけばよかった。
だって次にカエルくんを見かけたって、それがニコルくんかどうかさっぱりわからないからだ。
首筋にホクロがあるとか、そういう特徴をきちんと調べておけばよかった。
ニコルくんはニコルから去って、無名のカエルくんになっちゃったのだった。
新館入口(2014.6.22~)
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