おとといの月曜日は代休であった。
代休と言うからには休日出勤の代わりの休みである。
でも、私には家庭内での業務が課せられていた。
実は月曜日は妻が人間ドックを受診する日だった。
それで、ドックが終わるころに健診センターに車で迎えに行くことになっていたのだ。
なぜ、ドックの後に公共交通機関で帰ってくることに問題、あるいは不安があるのか?
妻の主張はこうだ。
バリウム検査のあと下剤を飲むわけでしょ。で、帰りの電車の中で急におなかがギュルギュルしてきたら大変でしょ?だから迎えに来て。
だったら、ウチの車の中だったらギュルギュルしてきた場合はどうするのか?
そっか、どこかトイレのあるところに乗り付ければいいわけだ。
確かに急に襲われると、ありゃどーしよーもなくなる。
大阪に住んでいた頃に私がドックを受けていた健診センターは、すぐに下剤を飲まずに職場や自宅などトイレがすぐに利用できる場所に帰ってから下剤を飲むように、という指示であった。しかし、妻が受診する場所(それは夏前に私が受診したところでもあり、私がいろいろと検査・治療した病院と併設されてもいる)は、つまってはいけないからと、早めに下剤を飲むことを推奨している。ただし、それでも不安がある方は、帰ってからでもよいとも言っている。
でも、妻が言うには、すぐに下剤を飲んでおかないと、腸内で凝固して大変なことになったことがあるというのだ。確かに体内凝固は想像するだけで恐ろしい。
そっか!
ふふふ……
早めに行って、そこの地下のレストラン(もどき)で親子丼を食べよう!
「今日は鶏肉と間違って唇を噛まないようにしよう」。
そう考えると多少緊張するが、なんて素敵なアイデアだろう!
そして、なんてささやかな幸福に満足する人間なんだろう。
それはともかくとして、日曜日の夜だったと思うが、妻が観ていたテレビ番組の中で懐かしい音楽が聴こえてきた。
何の番組だったかわからないが、とにかくBGM的に使われていた。
その曲は「花神」である。
「花神」は昭和52年に放送されたNHK大河ドラマで、今回私の耳に飛び込んできたのはそのメイン・テーマ音楽である。
作曲は林光。
NHK大河ドラマのテーマ音楽の多くは、現代日本のクラシック音楽界の作曲家が手がけることが多いが、曲の目的上メロディーが親しみやすく、その作曲家の純音楽作品ではなかなか聴くことができない別な面を知ることができる。
私は昭和末期(と書くとすごいなぁ)に、たまたまCDショップで大河ドラマ主題曲集というCDを見つけ購入したが、そのCDは第1回放送の「花の生涯」(1963(昭和38)年。冨田勲作曲)から1987(昭和62)年に放送された「独眼竜政宗」(池辺普一郎作曲)までが収められている。
その後もNHK大河ドラマは続いているが、私には大河ドラマを観る習慣がないので、「独眼竜政宗」以降のことはわからない。もっとも、それ以前にも大河ドラマをまともに観たことなんかなく、たまたまTVで流れていたのを聴いた「独眼竜政宗」の曲がおもしろいと思ったのでこのCDを買ったまでだ。
サウンド・トラックなので音場が不自然なものもあるが、なかなか楽しめるCDである。
そうそう、「花神」というのは、いわゆる「花咲か爺さん」である。
このCD(ポリドール-NHKCD)は当然のごとく廃盤。 そういえば、昔NHKの街頭インタビュー(「NHKに期待することは?」みたいなものだったと思う)で、マイクを向けられたどこかの商店街のおっちゃんが「いやぁ、やっぱね、おおかわドラマが毎週楽しみでね」と言って、女性のインタビュアーが「あぁ、タイガですね」とさりげなく訂正していたのが印象深かった。
あそこでおっちゃんが「虎じゃねえよ」とでも言ってくれたら、すごく面白かったのに……
妻を迎えに行った話の続きは明日にでも……
新館入口(2014.6.22~)
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© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
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いえいえ、そんな優しいとかいうものではなくて……
私の好きな作曲家に伊福部昭がいますが、氏も映画音楽をずいぶんと書きました。まさにこういった音楽はみちさんの言うように、情で感じ取ることができるのかもしれないですね。