休日の前夜の10日は、夕方の6時前からプライベートで軽くビールを飲んだ。
 7時前には解散し、「こりゃまだタワレコが開いてるわい」と、久々に寄ってみた。

 ちょっぴり酔った勢いもあって(800mlのジョッキで3杯飲んだが、このぐらいが気が大きくなる最も危険な分量だ)、当初の軽い買い物のつもりが、南極探検に行く前のような“しっかり買い物モード”になってしまった。
 幸いにも、グルグル店内を回っているうちに急な、かつ強い尿意を催したので、そこそこの数のCDを持ってやや内股気味にレジに行き会計を済ませた後、そのままトイレに行き(会計を済ませる前にトイレに行っては行けないという常識を私は備えている)、幸福なため息をついたが、買い過ぎへの警告ともいえる尿意がなかったら、南極生活でも2週間は退屈しないくらいのCDを買ってしまっていただろう。逆に言えば、タワーレコードにとってみれば、私が大人用ムーニーマンを着用していなかったばっかりに、売り上げが伸び悩んだということになる。

26887c56.jpg  さて、ここで買ったCDから、今日は札響528回定期演奏会のライヴCDを。
 指揮はR.エリシュカ。私は2日にわたって開かれたコンサートうちの初日(A日程)の前半を聴いた。
 CDには、前半の2曲目に演奏されたヤナーチェクの「シンフォニエッタ」と、メイン・プログラムのドヴォルザークの交響曲第5番が収められている(つまり、私はドヴォルザークの交響曲第5番は聴いていない)
 
 このときの「シンフォニエッタ」についての私の感想は、演奏がコンパクトな感じというものだったが、今回CDであらためて聴くと、コンパクトというよりは上品な演奏だ。響きもとても美しい。
 とはいえ、整然とまとめ上げられているわけではなく、そこそこわんぱく。けっこう大胆に音が飛び交っているし、乱れ寸前のところもある。

 CDに使われた演奏が、A日程とB日程のどちらのものか、あるいは両日の良いところの組み合わせかはわからないが、「シンフォニエッタ」の第3楽章について言えば、これは私が生で聴いたA日程のものではない。というのもA日程のときは、楽章が始まってほどなくの、コーラングレに続いてオーボエが吹く部分で、当日は音が“つまって”しまったからだ。CDではきちんと奏されている。

 この「シンフォニエッタ」の演奏、“レコード芸術”の今年1月号月評で、宇野功芳氏は絶賛、金子建志氏は「苦戦気味」と評している。
 札響ファンとして宇野氏がべた褒めしてくれているのは嬉しいが、ちょっと褒めすぎの感があると、個人的には感じている。
 それでも、良い演奏であることは間違いない。

 ところで、このCDには日本野鳥の、ではなくて、日本ヤナーチェク友の会代表の山根英之氏による解説がついている。
 私は知らなかったのだが、それによると、「シンフォニエッタ」の各楽章には当初、次のようなブルノの街にまつわる標題がついていたそうだ。
 
 第1楽章 ファンファーレ
 第2楽章 シュピルベルク城
 第3楽章 王妃の修道院
 第4楽章 街頭
 第5楽章 市庁舎

 また、札響の演奏では第4楽章で通常用いられる鐘がグロッケンシュピールに変えられている。
 コンサートのときに、私はこれに違和感を覚えたが、エリシュカはヤナーチェクの弟子だったバカラから、ヤナーチェクの指示としてグロッケンシュピールを使うようにと指示されたそうである。