0c08f106.jpg  先日、“どら猫酔狂堂”のアルフレッド氏とムッカマール氏と一緒に、あるホテルで昼食をとった。
 ムッカマール氏はアイゼンシュタイン氏の後任者である(本日の私の誕生日を記念し、今回初登場)。

 ムッカマールとアルフレッドの両氏が“狩人”のように口を揃えて言うには、「アイゼンシュタイン氏が辞めて2カ月以上経つというのに、誰にも、会社にも、退社の挨拶状が来ない。こういうことはあり得るんだろうか?」ということだった。

 もちろん私は答えた。
 「ありえません」

 考えてみれば私たちのところにも来ていない。
 心狭い人ならばお怒りになるかもしれない。「あんなに一緒に仕事をしたのに、挨拶状1枚よこさないのか」と。私は心が広いから怒らない。アイゼンシュタインならば起こりうるだろう、想定の範囲内のことだからだ。

 挨拶状は来てないが、秘密のメールやらないしょの手紙は来ているのかというと、もちろんない。そんなのが来たら、かえって気持ち悪い。

 「まっ、しょうがないんじゃないですか」と私はムッカマール氏に言いながら、にぎり寿司の1貫をアルフレッド氏の皿に移した。いや、正確には押しつけた。だって、魚の皮が付いていて、身が赤っぽくて、私が口にするとウェッという生臭さがいかにも広がりそうなネタがのっていたんだもん。

 アルフレッド氏にそのあと聞いたら、けっこう生臭かったです、と答えていたし……
 でも、あの魚、何だったんだろう?生ニシンかな?
 よくわからなかったな……

 よくわからないといえば、バルシャイがクック版をもとに2001年に完成したマーラーの交響曲第10番のCDを購入、聴いてみた。

 聴くに当たり、私は闇鍋のフタを開けるときのように楽しみしていた(闇だからフタを開けても見えはしないんだけど)。

 でも、私には別に目新しさを感じなかった。
 カーペンター版を聴いたときの衝撃はなかった。

 村井翔氏は“バルシャイ版”はもはやマーラーのスタイルにはこだわらず、いわば《展覧会の絵》を管弦楽化したラヴェルのように、奔放にオーケストレーションしている”と書いているが、私にはそれほど斬新には聴こえなかった。だから、不快とか違和感を覚えるということも、逆に「これだ!」という悦びもあまりなかった。
 もっとも、他にはないポロンポロン、コンコン、コトコト、カンカン、トントンという音が聴こえてきて、それが目新しいと言えば目新しかった。

 このCDは、バルシャイ指揮ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニーの演奏。2001録音。ブリリアント・クラシックス。