ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77(旧Op.99)(1947-48)。
この曲については前にも紹介しているが、完成後に作曲家批判があったために発表が見送られたといういきさつをもつ。
曲についてもそのときに書いているので詳しくは触れないが、音楽之友社の作曲家別名曲解説ライブラリー「ショスタコーヴィチ」では、以下のように書かれている。
この曲はショスタコーヴィチの作品の中で、すこぶる特殊な意味をもった作品である。それは、その音楽的内容という点よりも、むしろその作曲のいきさつについてであって、第二次大戦後のソヴィエト楽界において、この曲のたどった運命は、たんにショスタコーヴィチ個人のものではなく、ソヴィエト芸術全体に対する一つの試練でもあったであろう。というのは、この曲が発表されたのは1955年であったが、その作曲はすでに大部分1947年から48年にかけてすすんでいたのであり、発表まで7年近く作曲者の篋底深く秘められていたことが事実だからである。すなわち1948年2月の共産党による作曲家批判により、ショスタコーヴィチも交響曲「第9番」その他で西欧的モダニズムに感染し、フォルマリズムに陥ったとの非難を受けた。おそらく彼は自己の芸術に対する方向に混迷をきたして、書き上がっていた《ヴァイオリン協奏曲》の発表を、さしひかえたものと思われる。
この曲は、しかし、とても胸を打ち、そして力を与えてくれる作品である。
好きだなぁ、抱きしめたいくらいに!
今日紹介するのはヴェンゲロフのヴァイオリン、ロストロポーヴィチ指揮ロンドン交響楽団による演奏のCDを。
安くてお買い得な、すてきな演奏のCDだ。
第1番のコンチェルトの録音年は1994。
カップリングは第2番のコンチェルト(1996録音)。
apex(テルデック)。
先日、ホテルのロビーで時間をつぶすことがあったのだが、そこで流れていたのはなんと、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第2番!
けっこう長い時間そこにいたのだが、深遠な第1楽章、そして続いてあの「買ってくださいブーブリキ」のメロディーが!
いやぁ、ホテルのロビーにはおよそ似つかわしくない曲だ。
でも、ショスタコ好きな私には嬉しいサプライズだったけど。
そのチェロ協奏曲第2番は、今月の札響定期で取り上げられる。
楽しみぃ~!
新館入口(2014.6.22~)
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