6c5c09d3.jpg  で、しつこく2月18日の話。

 「YOUR BIRTHDAY FEBRUARY 18」という本がある。

 予想通りけっこう胡散臭く、かつ、軽薄な内容である。厚手の表紙だけが不経済に感じられる。

 この「2月18日生まれ」に人のための本には、このように書かれている(見出しをいくつかピックアップ。便宜上番号をつけた)。

 ① カンが鋭く、自分の主義を持った人。でも、イザというとき、ためらうことも。
 ② 心理学や哲学、精神分析などに興味を持ち、個性的なものの考え方をするタイプ。
 ③ お金がなくても苦痛を感じないタイプ。貯金にもほとんど関心を示さない。
 ④ 大器晩成型で、必ず成功する運がある。
 ⑤ カメラマンや画家、小説家、占い師など、個性と洞察力を生かせる仕事を選ぶと吉。
 ⑥ ヨガで心身ともにリラックスすると効果的。
 ⑦ この日の誕生花はタチイヌノフグリ。

 まず①だが、そりゃあ私だってためらう。地下鉄のホームに立っているときに電車がやってきたら、さすがに白線の外側にいることはためらう。それができるのはファルケ氏だけだ。

 ②については、確かに心理学や精神分析は好きである。が、哲学には全く興味がない。この項では、「周囲から理解されないことも多い」とも書かれている。ふんっ!多いどころか誰にも理解されていない気がする。

 ③は絶対違う。お金がないと苦痛に感じるタイプだ。私は。貯金に関心がないのは事実だが、それは貯金残高がないためである。

 ④は、もはやわが人生は晩期に入ったと言える。なのにこんな日々をおくっている。「若い時期はいろいろと苦労しても、それが実になって成功できる運を持っています」と書いてはあるが、それって、先週やっとロト6で1,000円が当たったことを指しているのだろうか?

 ⑤に関しても、占い師は勘弁してほしい。案外向いてるかもしれない可能性は捨てきれないけど……

 ⑥だが、私はまれによがることはあっても、ヨガはしない。

 で、⑦。
 誕生花がタチイヌノフグリ?
 雑草だよ、これ。確かに花はきれいだけど(すっごく小さいが)、だいたいこの名前、「立犬の陰嚢」だからねぇ(「ふぐり」って「陰嚢」、もっと簡単に言えば「きんたま」のこと)。
 なんかションベン臭そうな誕生花だ……

5a99a0fa.jpg  さて、ションベン臭いまま本稿を終わらせたくはないので、誕生日にちなんで私はここでパーセル(Henry Purcell 1659頃-95 イギリス)のオード(頌歌)をとりあげたい。
 「メアリ女王の誕生日の頌歌『来れ汝ら芸術の子ら』(Ode for the birthday of Queen Mary "Come ye sons of art away")」(1694)。

 うん、私の誕生日にふさわしい曲だ。……と思いきや、1年前もこの曲を取り上げていた
 やれやれ、歳とともに記憶力も急激に低下している。

 で、1年前にはピノック盤を紹介した(でも廃盤だった)。
 だから、せめて、今年は別な演奏を紹介しておく(実は1年前もこれを取り上げてはいる。ピノック盤の代替品として。さらにこのCDは、「メアリ女王の葬送音楽」のときにも紹介している。誕生日と葬送か……)。
 ガーディナー指揮モンテヴェルディ管弦楽団、同合唱団他の演奏。
 1976録音。apex。

 そうそう。あの本では同じ誕生日の著名人として奥村チヨとか越地吹雪なんかが挙げられているけど、なんかなぁ……
 そういえばわが社で同じセクションにいて、この間ご卒業なさったおじさんも2月18日うまれだったな……