いやぁ、この演奏は面白かった。
毒気たっぷりなのが、この曲にはぴったり!
ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団による、ショスタコーヴィチ(Dmitry Shostakovich 1906-75 ソヴィエト)の交響曲第13番変ロ短調Op.113「バビ・ヤール(バービー・ヤール,Babi Yar)」(1962)。
バスの独唱はセルゲイ・アレクサシキン。男声合唱はバイエルン放送合唱団。
この作品については、過去にハイティンク盤、今度裸身、いやぁぁぁぁ~ん、違うわ、コンドラシン盤を紹介しつつ作品の紹介もしているが、反体制派詩人のエフトゥショエンコの詩を用いたものの、初演後に当局からの圧力にビビってしまったエフトゥシェンコが歌詞を一部を書き直したためにショスタコが怒り(茹でタコのようになったかどうかは不明だが)、両者の関係が悪化したという経緯がある。
エフトゥシェンコの方が私が悪いと思う。
血気盛んにたいした偉そうなこと言っておいて、ショスタコに断りなく自分だけ追及から逃れようとしたのだから……
過去記事と重複するかもしれないが、もう一度書くと、ショスタコーヴィチがエフトゥシェンコの「バビ・ヤール」という詩を目にしたのは「文学新聞」紙上。このときエフトゥシェンコは28歳。青年詩人だったわけだ。
「バビ・ヤール」というのはウクライナのバビ・ヤール峡谷のことで、第2次世界大戦中にナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺が行われた地である。
この詩に感激したショスタコは、これを歌詞にした交響詩を作曲。しかし、エフトゥシェンコと親交を結び、他の詩も使ってその交響詩を拡充改編、5つの楽章から成る交響曲に仕上げたのだった(第4楽章の詩は書きおろし)。
初演はコンドラシンの指揮によって行われた。
第5交響曲などショスタコの交響曲の多くの初演を手掛けてきたムラヴィンスキーも、「この曲、ちょっとやばくね?」と、引き受けなかったからだ。
交響曲第13番の歌詞は、原詩が変えられたことで改訂されたが、それでも毒や皮肉に満ちているのは確か(音楽は当初通りなわけだし。歌詞は聴いている分には理解不能だし)。
そのあたり、ヤンソンス盤では独唱と合唱が上手い!
吉松隆氏が書いているように、この曲の合唱は「デモ隊のシュプレヒコール」のようなところがあるが(あるいはそろそろ卒業式シーズンなので耳にする方も多いと思うが「呼びかけ」的)、このCDではそれが強調されている。
いいわぁ~。
そして、色気のないバス独唱と野郎ばっかりの合唱という響きに絡み合うオーケストラの色彩感が際立って聴こえてくる。
美しいわぁ~。
この演奏、ショスタコーヴィチのオーケストレーションの素晴らしさを実感できるものでもある。
ヤンソンスのCDは2005録音。EMI。
今日は東京に出張。
夜は札響の東京公演を聴く予定。
プロフィール
MUUSAN
クラシック音楽、バラ、そして60歳代の平凡ながらもちょっぴり刺激的な日々について、「読後充実度 84ppm のお話」と「新・読後充実度 84ppm のお話」の2つのサイトで北海道江別市から発信している日記的ブログ。どの記事も内容の薄さと乏しさという点ではひそかに自信あり。
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© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
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