チャイコフスキー(Pytr Il'ich Tchaikocsky 1840-93 ロシア)の交響曲第2番ハ短調Op.17「小ロシア(Little Russian)」(1872/改訂'79-80)は、初演のときから成功を収めた作品だが、現在ではあまり聴かれることがない作品である。
「小ロシア」(「小ロシア」というのは「ウクライナ」の旧称で、この作品は「ウクライナ」と呼ばれることもある)という名は、V.V.スターソフが付けたものだが、それはこの交響曲の中で3つのウクライナ民謡が用いられていることからきている。
この民謡を引用しているために、珍しく“ロシア5人組”からも好評を得ている。
交響曲第2番はキエフの近くのカメンカで作曲が進められた。
カメンカという地は、チャイコフスキーの仲の良い妹アレクサンドラの嫁ぎ先であった。
まったく、妹離れしてないんだから……
曲は4つの楽章から成る。 第1楽章でホルンが吹く主題は、民謡「母なるヴォルガを下りて」によるもの。
第2楽章のトリオのメロディーは、「紡ぎなさい、私の紡ぎ女よ」の引用だという(紡ぎ女って……)。
さらに、第4楽章は民謡「鶴」を基にしている。
なお、チャイコフスキーはこの曲を1879年~80年にけけて、全面的に改訂している。
今回はマゼールとアバドの演奏を続けて聴いてみた。
近ごろ私からの愛を受けつつあるマゼール。また、チャイコフスキー交響曲全集で「なかなかいいじゃん」と私の耳を満足させてくれているアバド。その両者の対決だ(クワガタの喧嘩のように、勝手に無理やり対決させてるんだけど)。
実はこの2人、因縁の中(というわけでもないか)。
カラヤンが辞任したあと、ベルリン・フィルは次の芸術監督を探していたのだが、その有力候補とされていたのがマゼールである。1990年のことだ。
そして、それは間違いないものと思われた(少なくとも本人にとっては)。なんせマゼールさま、就任祝賀パーティーの席まで用意し、ビールかけの準備までしていたという。
ところが発表された名前は Claudio Abbado であった。
マゼールさま、すっかりプイプイっ!意気消沈したのは言うまでもない。
教訓:野球で優勝したんじゃないんだから、ビールかけなんておやめなさい!
さて、この2人による「小ロシア」の演奏。
マゼールの方はウィーン・フィルとの1964年の録音。彼がまだ30半ばのころで、鋭くて個性的な演奏を行なっていたピークにあたる。
一方、アバドの方は1984年録音。オーケストラはシカゴ交響楽団。その6年後、彼には指揮者としての最高のポジションであるベルリン・フィルに招かれると想像できていたのだろうか?
そして、聴いてみると、マゼールの勝ち!
血気盛んな若手の頃のマゼールと、50を過ぎた頃のアバドを比較するのはちとハンディがあるが、私はそう思った。
マゼールはパワフルにぐいぐいと進めていく。持ち味の鋭さも健在。
一方、アバドはまじめすぎる感じ。「あなたの優しさが物足りないの。ときにはサバ折りのようにぎゅっと抱きしめて欲しいの」って思ってしまう。
特にこの交響曲、作品自体がなんとなくボァ~ンとしたものだからなおさらそう思う。
アレクサンドラで思い出したが、サンドラとサツドラとツルドラ。
あなたはどれが好き?
サン・ドラッグとサッポロ・ドラッグストアとツルハ・ドラッグのことだけど。
§
昨日東京へ。
千歳から羽田への便は混んでいた。減便しているせいと、機種を小さめのものに換えているからだろう。
昼は第2ターミナル出発ロビーのレストランで。
スパゲティ・ボロネーゼを頼もうと思ったが、同じ価格で牛ステーキのせオムライス(しかもオムライスの中身は私の体に優しい白米。私はチキンライスが不得意である)。これはこのオムを頼むしかない。でも、スパゲティ・ボロネーゼで1,200円はなかなか高い。“チロリン村”だったら2人前頼めちゃう。
で、店員さんが来たときに、でも、私の口から出てきたのはエクトプラズム、じゃなくて、「カツカレー」って単語。直前の臨機応変対応。だって、カツカレーは1300円と100円しか違わなかったんだもん。
味のレベル?750円級ってところ。あとは場所代。やむを得ないだろう。
そのあと埼玉県某市へ。この日の泊まりはここ。
ホテルはワシントン系列の超合理的ホテルR&B。
このホテル、私は好きじゃない。安いのはいいけど、あまりにも窮屈(部屋の広さも精神的な居住性も)。でも、ほかに適当なところがなかった。
安いといっても、6000円ちょっとだから、今や「安い」とも言えない。
せっかく埼玉に来たのだからと、夜は……白木屋。
全国共通、安心メニュー。
でも、〆に食べた塩ラーメン(小サイズ)はひどくしょっぱかった。
昨日の夜のうちにコンビニでおにぎりとカップみそ汁(豚汁)を買っておいて、今朝「さて食べよう」と思ったのだが、な、なんと、ホテルの部屋に必須ともいうべき湯沸かしポットがない!
ベッドの下まで探したが、ない!
あぶねぇ~。
気づくのがパッケージを開ける前でよかった。
でも、この豚汁、今日持って歩かなきゃならないのか?
新館入口(2014.6.22~)
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