おぉっ!
ついに聞こえた!
今シーズン初!
カッコウの鳴き声が聞こえたのである。
なんか、すっごくうれしい。
クソ暑くなるのは勘弁願いたいが、それでも夏は来なくてはならない。
カッコウは初夏の到来を告げる。
ディーリアスがその喜びを音楽にした(「春初めてのカッコウを聞いて」)気持ちが、私には血が出るくらい痛いほどよくわかる。
で、今日は5月の最終日である。
なのに、就職活動中である大学4年の長男は、いまだに1つも内定を獲得していない。
当初は、「5月中に2つか3つ内定をとってないようじゃ、けっこうやばいよな」と言っていたが、彼にとってやばさが現実のものとなっている。
最終面接まで残り、地方都市まで出向いて行ったことも数回。
感触ではほぼ間違いなしで、最終の儀式面接だと思っていたのに、そこに行ってわかったのは、地元出身の学生がすでにほぼ決まっているという現実。ひどいところは、地元民とそれ以外の学生で控室まで違ったという。
そして「君は札幌の人だから、こんな田舎には暮らせないでしょ」という、親切だか嫌味だかわからない面接官の言葉(実際、嫌がらせ面接(圧迫面接)みたいなのがあるという)。
わが子ながら、いやぁ、かわいそうになってくる。
縁あるところはきっとあるはずだから、くさらずに頑張ってほしい。
映画「アマデウス」のなかで、モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)に仕事が来るようにと、妻のコンスタンツェがサリエリのところへ楽譜を持ってお願いに行くシーンがある。
そのときに流れる(譜面を見たサリエリの頭の中に奏でられる)音楽の1つに、「フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299(297c)(1778)」がある。
この曲、抱きしめたくなるくらいすてきな曲である。腕は空を切るけど。
フルートとハープという楽器のそれぞれの音色を考えると、よくこの2つの楽器を独奏とするコンチェルトを考えたついたものだと思う。琵琶と尺八とはワケが違う。私、琵琶と尺八のことには詳しくないけど……
といっても、作曲するきっかけとなったのは、当時モーツァルトが滞在していたパリでドゥ=キーヌ公爵から依頼されたことによる。モーツァルトはドゥ=キーヌ公爵の娘の家庭教師をしており、この娘はハープの腕前がなかなかなものだったらしい。しかも、ドゥ=キーヌ公爵自身はアマチュア・フルーティストで(素人の果物好き、ではない)、そのためにフルートとハープを独奏楽器とする、この異色の協奏曲が誕生したのである。
とはいえ、この公爵、モーツァルトにレッスン料をまともに払わなかったうえ、このコンチェルトの作曲料を一文も払わなかった。
出来上がった音楽の幸福感あふれる美しさとは別に、モーツァルトにとっては期待外れな苦い思いが残った作品に違いない。
前にコープマン盤を紹介したが、今日はブリリアント・クラシックスから出ているものを。
M.グローウェルのフルート、G.ヘルベルトのハープ、Labadie/Les Violons du Royの演奏。
コープマン盤と違い、響きが豊かな一昔前風のロマンティックな演奏スタイル(録音のせいもあると思うが)。こういう演奏もたまにはいい。ただし、フルート独奏はあまり音を引っ張らずちょっとピリオド的な箇所もある。
1994録音。
ところで、フルートとハープの組み合わせによる楽曲としては、ベルリオーズのオラトリオ「キリストの幼時」のなかの「2本のフルートとハープのためのトリオ」というすばらしい作品がある。
もし聴いたことがない人がいたら、ぜひともお薦めしたい。
さて、息子は今日も就職先を求め、企業へ面接へ。
そして私は、朝飯抜きでこれから人間ドックを受けに病院へと向かう。
でもなぁ。昨日の夜も絶食開始時刻の21時ぎりぎりまで家でビール飲んでしまったからなぁ。どう考えても、血の値が良いという材料はないよなぁ。あぁ、意志が弱いよなぁ。
新館入口(2014.6.22~)
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