59ba91e6.jpg  クシシュトフ・ウルバンスキという指揮者については、これまでまったく知らなかった。

 7月6日付の北海道新聞夕刊では、この指揮者を「ポーランド出身の俊英」と称し、「間違いなく近未来の音楽シーンを牽引するマエストロで、6月に東京交響楽団の定期演奏会でショスタコーヴィチ(新聞では“ショスタコービッチ”と表記)の交響曲第10番を披露。オーケストラ、聴衆の双方から絶大な拍手を浴びたばかりである」と書かれていた。

 こう書かれると、いや、そりゃ私だっていくら斜に構えているとはいえ人の子。だんだん期待に胸が膨らんできた。

 そう。
 今日はPMFオーケストラの演奏会がKitaraである。
 14時開演というのもうれしい(土曜や日曜の19時開演は正直しんどい)。

 で、道新の記事の文は続く。
 「破格の逸材で抜群のステージ・プレゼンスを誇るウルバンスキがPMFに晴れてデビュー。……」

 確かに新聞に載っている写真を見るとカッコイイ。
 ブログに転載したこの写真をそのまま見ると、小さめなので羽賀健二っぽく思われる人もごく一部にいらっしゃるかもしれないが、拡大していただくと羽賀っぽくない。

 先の文章は在京の音楽評論家の奥田佳道氏が書いているが、それにしても「破格」って……?

 ウルバンスキは原発事故で来日を中止したアラン・アルティノグルの代役に選ばれたわけだが、「むしろ、こういう時期に自分の音楽で日本の人たちを勇気づけられたらと思った」と語っている。

 なんて素敵な若者なんだろう!

 しごく当然と言えば当然だが、放射能汚染を恐れ来るのをやめた当初の指揮者とはえらい違いだ。
 でも、そのアルティノグル氏を責めることはまったくできないよな……

 それに、もし当初の予定通りだったなら、今日の演奏会に私は行かなかったはずだ。
 指揮者が代わり、曲目がフランクの交響曲からショスタコの10番に変更になったからこそ、私は近未来のこと(翌月曜日のことだ)を思うと暗い気分になってしまう日曜日の午後に、わざわざ出かける気になったのだ。

 当初のこのコンサートのタイトルは“アブソルートリー・フレンチ!」。
 ドビュッシーの「海」、ラヴェルの「ボレロ」、そしてフランクの交響曲ニ短調とオール・フレンチだったが、フランクのシンフォニーは嫌いじゃないけど、私にとってはわざわざ休日にお出かけしてまで聴こうという作品ではないのだ。

 結局、フレンチ+ソヴィエトと、テリーヌのあとにピロシキを食うような感じのプログラムになったが(それぐらいしか料理が思い浮かばない食体験の貧しさ)、タイトルあらため「ポーランドの俊英ウルバンスキのショスタコーヴィチ」っていう本日のコンサート、大いにけっこうじゃあないか!

 ショスタコの10番を生で聴くのは2回目。しかも20年ぶり以上のことだ。

 ま、まずい。
 DSCH……
 ちょっとおだってきてしまった。
 DSCH、DSCH……
 落ちつかねば……

 CT検査から5日目を迎えたが、幸い造影剤によると思われる副作用の症状(下痢・ストレートタイプ)もでてきていない。なぜか昨晩、嘔吐してしまったけど……

 ということで、これからちょいとその演奏を聴きに行って来る……って、まだ5時半、早すぎるっつーの!