5a6c2a91.jpg  夏が盛っている。

 この季節になると、ふと聴きたくなる曲の1つに、ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams 1872-1958 イギリス)の「グリーンスリーヴズによる幻想曲(Fantasia on "Greensleeves")」(1934)がある。

 私がこの曲を最初に聴いたのが、ちょうど今ぐらいの季節の夜のことだった。
 午後8時過ぎからNHK-FMでやっていた番組で、N響によるこの曲の演奏が流れたのだった。

 私はその年の春からクラシック音楽を聴くようになったのだが、初めて聞くこの作曲家の名前、そしてどこかで耳にしたことがあるメロディーに、「クラシック音楽って奥が深いなぁ。有名な曲って、実は、ほとんどがクラシックなんじゃないのかなぁ。クラシック音楽を好きになってよかったなぁ」と、自己満足し、独り、バカみたく感動に浸ったものだ。

19d44ca2.jpg  開け放った窓の外からは、コオロギだかキリギリスだか、とにかく夜の虫の鳴き声が聞こえてきて、なんとなーくいい感じの雰囲気だった。
 部屋に置いてあった豚さんの蚊取り線香立てさえ視界に入らなかったら、だったけど。

 “グリーンスリーヴズ”は16世紀のイギリス民謡。曲名の意味は“緑の袖”だが、緑の袖の着物を着た浮気な女を歌った歌である。

 「グリーンスリーヴズによる幻想曲」は、もともとはヴォーン・ウィリアムズが1924年から'28年にかけて作曲した歌劇「恋するサー=ジョン(Sir John in love)」(1929初演)の第4幕の中の間奏曲を、ラルフ・グリーヴズという人が独立した作品に編曲したものである。
 なんか“リーヴズ”がややこしく絡み合っていて、一瞬わかりにくいけど……。
 関連項目 → フォーリーブス。リーヴ21 (冗談です)

 ♪

 [最初のメール]
 マリナです。度々のメールごめんなさい。
 あの時突然私が消えてしまったから
 きっと悪い印象持たれてしまっていたのかもしれないですね。

 実は携帯が壊れてしまって
 連絡を取りたくても連絡出来なかったんです。
 言い訳だと言われてしまえばそれまでなのですが
 どうしても貴方のことを諦めきれなくて
 女々しくこうしてメールをしてしまっています。

 あの時私と会おうとしてくれて
 お住まいとか待ち合わせ場所とか入れてくれてましたよね?
 もう一度…もう一度だけ私にチャンスを下さいませんか?

 お返事にお住まいと待ち合わせ場所を入れてください。
 私ちゃんと待ってますから。


 [2回目のメール]
 私との事、やっぱり考えてもらう事は出来ませんか?
 私と会う関係を描く事は出来ませんか?

 見ず知らずの私に突然会うのは躊躇いがありますか?
 でも一度お会いしていただければ私が嘘を付いてないって分かってもらえると思うんです。 突然過ぎて受け入れるって所までは難しいと思いますけど…

 折角の私に訪れた一世一代のこのチャンスを何もせずに終わりにはしたくないんです…

 きっと今は疑い半分の目で見られてしまっていると思いますが、
 きちんとお話をすれば分かってくれる人だって信じております。

 私の選んだ人はそんな酷い人ではないって、思いやりのある人だって私はそう信じてます
 会いに行っても構いませんか?

 あの時ちゃんと聞けなかったから…
 ご迷惑はかけませんので何処に住んでるか教えて下さい…


 (以降、アド拒否登録)

 マリナ? 誰だよ?
 “躊躇い”って“戸惑い”って読ませようってことか?
 “一世一代”って大げさじゃねっ?
 疑い全部ですし、私の思いやりはあなたのためにないですし、ぜったいにご迷惑をかけられるので、教えません。それとさぁ、“何処”じゃなく、“どこ”って書けよ!

 ♪

 ということで、「グリーンスリーヴズによる幻想曲」のCDだが、前にも取り上げたマリナー指揮アカデミー室内管弦楽団によるものを紹介しておこう。
 こんな風に紹介したら、突然過ぎて受けいれるって所までは難しいですか?

 このCD、ヴォーン・ウィリアムズの管弦楽作品集。
 1971録音。デッカ。

 なお、イギリス民謡としての「グリーンスリーヴズ」をお聴きになりたい方は、これも以前紹介したが、「Under the Greenwood Tree」というタイトルのナクソス盤をお薦めしたい。

1d34c8b6.jpg  ところでバラにも“グリーンスリーヴズ”という品種がある。
 わが家の庭でも、いま咲いている。

 このバラ、花が薄いピンクから開花が進むにつれて緑色になるという触れ込みで、それに魅かれて私も買ったのだが、実際に咲いてみると、なんだか薄汚い。

 かわいくない。
 きれいじゃない。
 香りもない。

 直接雨に当たらないように育てたら、もっと発色がよくなるのだろうか?

 なんか困ったバラだ。

 ということで、タイトルの「まりなとまりなあ」は「マリナ泊まりなあ」じゃなくて、「マリナとマリナー」ということをにおわしていたっつーことだったのよ。