清水町羽帯にある“十勝千年の森”は5haという広さ。
ここに庭や芝の丘などがある。
自然の森をそのままに生かしたフォレスト・ガーデン。
私が訪れたときには、あちこちでウバユリが俵型の実が目に入り(この中に小さな円盤状の種がびっしりつまっている)、トリカブトが咲き、テンナンショウが毒々しい朱赤の実をつけていた。
説明によると、一帯はササ藪だったそうだが、ササを刈り続けた結果、こういった植生に変遷していったという。
昨日の記事に載せたメドウ・ガーデン。
ここでなるほどと感心したのは、ガーデンごとの仕切り。
ススキに似たカラマグロスティスというイネ科の植物によって、隣接するガーデンが隠れて視界に入らないよう配慮されている。また、カラマグロスティスが風でなびく姿は実に美しいのだそうだ。
売店でカラマグロスティスの苗を売っていたが、1株買ってもしょうがないし、だいたいにして我が家は目隠しするほど広い庭ではない。むしろ、カラマグロスティスだけで他のものが植えられなくなるだろう。
上の写真はメドウ・ガーデンの入り口から奥にあるカフェ“ラウラウ”を見たところだが、逆に“ラウラウ”側から見ると、4枚目のような光景になる。
“ラウラウ”の前にはキッチン・ガーデンがあるが、このようなイングリッシュ・ガーデンの手法は知っていたものの、実際にこんな立派なものを見せられると、野菜作りも楽しそうでおしゃれと思ってしまう。
これまた、こんなに大きなレイズド・ベッド(底上げ花壇)を作ってしまうと、それだけで我が家の場合は庭がいっぱいいっぱいになってしまうが……
野菜そんなに食べられないし……
芝の“アース・ガーデン”は手前からみると平坦なように見えるが、逆側から見るとそれが計算された起伏が施されていることがわかる。
これによって、芝を散策する人の姿が見えたり消えたりという視覚的効果をも生んでいる。
今回はこのように説明を受けながら見学したが、もちろん仕事。
この場所を使った企画ばなしがあり、その打ち合わせにやってきたのだった。
しょせんただ広い庭だろ、と高をくくっていた自分を反省。
これだけ広大な庭と森を管理するのはざぞかし大変だろう。
しかも、来年、もしくは遅くとも再来年にはオープンすることをめざし、現在バラ園も整備中だという。
また、来年はこの場所で“ガーデンショー”も開催されるのだそうだ。
ということで、なんとなくドヴォルザーク(Antonin Dvorak 1841-1904 チェコ)の歌劇「ルサルカ(Rusalka)」Op.114,B.203(1900/1901初演)。
3幕の抒情的物語と記されているこのオペラは、〈人間の姿になった水の精のルサルカは公爵と結婚するが、やがて捨てられ、沼に帰る。良心の呵責に悩んだ公爵はルサルカを訪ねるが、水の中に引き込まれて死ぬ〉というもの。台本はJ.クヴァピル。
いくつもある水の精(ウンディーネ)にまつわるお話の1つというわけだ。
なんで森の話をしてたのに水の精なんじゃいって疑問に思われるだろうが、いたって簡単。登場人物のなかに“森番”がいるから。この安直な飛びつき方、だめですか?
ドヴォルザークのオペラ作品はチェコ国外ではあまり上演されてはいないようだが、「ルサルカ」に関して言えば、とても美しい音楽が散りばめられている。
私が持っているCDはハラバラ指揮プラハ国立歌劇場管弦楽団他による演奏のもの。森番役のバリトンはジョラン。ジョランって言われたって誰だい?って感じですよね……
1961録音。スプラフォン。
自然の中での打ち合わせを終え、帯広市内へ。
その日のMでの物足りない昼食のせいで、もうおなかがペコペコ。
中標津のときとはえらい違いだ。
夕食の店は3年前にも訪れたことがある、レトロなたたずまいの焼肉店“あんじゅ”。
がっつき5人組(私を含む)は、ぐわぁ~とカルビだのサガリ(本州ではハラミという)だのを食べ、野良犬の食事のように比較的短時間で終了。
前に来た時より美味しく感じたのは、単に腹がすきすぎていただけの理由だろうか?
おっ!ここでまた記憶が蘇る!
“あんじゅ”の入口の所に、ガラスのショーケースに入った古銭が飾られていた。
あの楽器店の不思議な品ぞろえの謎が解けた!
時間が早かったので、屋台村へ。
“ぐっとん”というもつ煮込みとやきとんの店だったが、おなかがパンパンだったので、冷ややっことポテトサラダだけを注文。すまぬ!
それこそ3年前に“あんじゅ”で焼肉を食べたときには、そのあとスナックに寄り、バーにも寄り、最後は“あんじゅ”の隣にあるそば屋でかしわそばによる〆を行なった。
今回はおなかいっぱいであったものの、あのときの雑多な店内の雰囲気を再び味わいたいのと、昼のそばの失望感(この時点では量的なものに収束していた)によって、どうしてもそのそば屋へ行きたかったのだが、ガーン!、本日定休日ときたもんだ。
いえいえ、健康のためにはそれがいちばん。
店主様、ありがとう!
にしても、「おそばのそば屋」ってなぁに?
翌日は朝いちばんに仕事を終え、帯広を昼前に発車する特急で札幌へ。
この中途半端な時間に、非常に問題となったのは昼食をどうするかということ。
ナシニーニ氏の提案で(つまり、今回ナシニーニ氏が一緒だったことがいま判明した)、弁当を買って車内で食べることにした。う~ん、旅のダイゴミー!家での私の立場はちょっぴり粗大ごみぃ~っ!
ナシニーニ氏とピョン太リーダーは(おお、リーダーも一緒だったことが判明した!)、駅の名店街に入っている“ぶたはげ”(はげ天で出している店)で、豚丼弁当を注文。出来立てを車内に持ち込もうって作戦だ。
一方、パイペー君(彼も一緒だったのだ)は駅売店で売っている豚丼弁当を買っていた。こちらは弁当箱の下に発熱機能が備わっていて、食べるときにそれを作動させるとホッカホカ になるというものだ。
さらに、これまた一緒だった鉋さんは、やはり駅構内の名店街でパンを買ったが、私に見せてくれたナポリタン・サンド、つまりスパゲティ・ナポリタンを具とするサンドイッチがやたら美味そうだった。しかし、私はそのときすでに駅構内のキヨスクで助六寿司を買ってしまっていた。
というのも、前日いなり寿司を食べそびれた悔しさを忘れてなかったからである。
車内は混んでいた。
列車が発車してほどなくすると、前方に座っていたパイペー君が弁当を持って急ぎ足でデッキに向かって行った。
あとから聞いたら、弁当を温めようと操作したら、どこかでやり方を間違えたらしく、いきなり煙が上がって来たらしい。今の世の中、ささいな煙でも列車火災が起こったと誤解されかねない。しかも石勝線だ。危ないところだった。
結局私は助六寿司を食べなかった。
席は窓側。隣の通路側の席にはサラリーマン風の人物が。しかも足元にはかばんを置いてある。
・ 寿司に醤油をかけるときに、そそうして相手のシャツに飛び散ったらどうしよう。
・ 食べ終えた後、手がべたべたしたりしたときに、どうやって相手に言って通路に出してもらおう?
・ 食べたことによって急な下痢・腹痛に襲われたら、眠っている相手の機嫌を損ねずにどうやって通路に出ることができるだろう?
そんなことを考えているうちに、食欲も失せてしまった。
発車直後(直前だったかもしれない)から一心不乱に豚丼と対決していたナシニーニ氏のように、いろいろな面で強くなりたいなぁ。
新館入口(2014.6.22~)
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