R.シュトラウス(Richard Strauss 1864-1949 ドイツ)には2つのホルン協奏曲がある。
第1番変ホ長調Op.11は1882年~83年にかけて作曲された。このときR.シュトラウスは19歳。
一方、第2番変ホ長調の方は第1番よりずっとあとの1942年に作曲されている。晩年の作だ。
R.シュトラスの父フランツはホルンの名手であった。
ワーグナーはフランツの腕を高く評価し、バイロイトでの楽劇上演にはオーケストラの一員として必ず彼を呼んでいたが、演奏以外のときにはワーグナーは彼を「我慢ならない男」と嫌っていたという。保守的なフランツはワーグナーの作品のホルン・パートを演奏するのを好んでいなかったためだ。
リヒャルトが書いたホルン協奏曲第1番は、名ホルン奏者だった父に献呈されている。ソリストの華麗な技巧を十分に披露できるように作られたカッコイイ曲だ。ホルンという楽器を良く知っていたからこその作だろう。
一方、第2番は技巧的ではあるが、おだやかで田園的な雰囲気を持つ作品だ。そのどこか郷愁を誘う味わいは独特のものだ。
私は第2番の方が好きだったが、このところ第1番の方を聴くことが多い。
若返ったのかしら?
趣味の悪い冗談はさておき、今回のプライベートな東京への旅行は、一度息子の暮らしぶりを見てみようというのが1つの目的であった。
といっても、私にはそんなことさして関心はないのだが、母親というのは概して心配性であり、妻の休暇があるのなら行ってみようという圧力から行くことになったのだ。
その次男坊。
中学、高校と吹奏楽部でホルンを吹いていた。
ソロ・コンにも出たことがあるが、そのときに吹いた曲がR.シュトラウスの第1協奏曲だった(もちろんピアノ伴奏の抜粋版)。
にしても、自分の息子がステージ上で吹いているのを聴くのは精神衛生上極めて良くない。音がひっくり返ったらなどと想像すると、演奏を聴くどころではない。ただただ、何カ所間違えたか、何回音がひっくり返ったかを意地の悪い姑のごとく数えたものだ。
その息子も大学に入ってからは演奏をやめている。
部活をするにもけっこうな金がかかるからだそうだ。
親ばかかもしれないが、もったいない気はするのだが……
楽器は持って行っているが、部活をしてないと練習する場所もないし、あとは腕も楽器もさびつくだけか?楽器高かったのに……
その第1協奏曲だが、今日はクレヴェンジャーの独奏、バレンボイム指揮シカゴ交響楽団の演奏を。
クレヴェンジャーの、気分がスカッとするぐらいの抜けが良い伸びやかな音が快感だ。
1998録音。apex(原盤テルデック)。
他にオーボエ協奏曲などが収録されている。
新館入口(2014.6.22~)
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