a418961a.jpg  家族旅行2日目の鎌倉の大仏にご対面しに行くというところまで、前回書いた。

 鎌倉の大仏の背中側の窓が開け放たれていて、この感じが子供の頃読んだディズニー絵本の「ちいさないえ」の小さな家に似てるなと思ってしまった。

 その日の昼は、長谷寺の入り口前にある“浅羽屋”という店に入った。
 うなぎの店である。
 が、何となく気乗りがしなかったので(私は週明けに再び東京を訪れ、その際にはうな重を食べる決意をしていたのだ)親子丼を注文した。
 息子はカツ丼を、妻は天ぷら定食を頼んだ。
 こうして、我が一家の3人は、揃いもそろってうなぎ屋でうなぎを拒否した。
 私が食べた親子丼だが、懐かしい大衆食堂の味がした。ちょいとしょっぱめだったのと、値50855a3c.jpg 段が大衆食堂並みではなかったことが非常に残念である。

 食事のあと駅に向かって歩いていると、オバマ大統領が幼かりし頃に立ち寄ったという店が。「飲べた」のか……

 そして江ノ島へ。
 長い橋を渡って、また戻ってきた。
 それだけ。
 そして、再び江ノ電に乗って鎌倉へ戻り、もう一度駅の辺りをぶらついて横須賀線で品川へ。
 品川のアトレで時間をつぶそうと思ったが、まったく見るべきところがなく、夕食をとることにした。アトレの中のつばめキッチン。
 妻と息子はハンバーグ。
 私はビールとフランクフルト。
4fb0f48a.jpg  本場のフランクフルトなのだろうが、私にはどうしても前日の揚げウインナーの方が口にあっている。

 こうして2日目が終わった。

 3日目。
 妻は吉祥寺に雑貨やらなにやらを見に行くという。
 私はそれを拒否し、チェックアウト時間までホテルに居残ることにする。妻は吉祥寺で息子と合流することとし、そのあとは羽田空港で私と落ち合うことにした。

 チェックアウト時刻になり、私はそのまま空港に向かった。
 だって、2つの重いかばんを持っていったいどこへ行けというのだ?
379bdd46.jpg  都内のどこかを見たいわけでもないし……

 12時前に羽田に着いた。
 帰りの飛行機は17時発だ。

 まずはANAのカウンターに荷物を預ける。
 「あの、乗る便はものすごく先の17時発の千歳便ですが、もう荷物を預かってもらえますか?」
 「もちろんでございます」と、実に親切さわやかに答えてくれた。
 がんこ寿司のように「よろこんでっ!」と言ったら面白いのになと、不謹慎なことを考えてしまった。

 そうだ。国際線ターミナルへ行ってみよう!
 京急で国際線ターミナルへ行ってみた。
 旅行客なのか、単なる見物客なのかわからないが、けっこうショップ・レストラン街は混んでいた。でも、私にはちっとも面白くなかった。1周して終わり。
 展望デッキにも人がたくさんいたが、駐機している飛行機は1機だけだった。
 それなのに何が楽しいのだろう?国内線ターミナルの方がいいんじゃないのかな。

 今度はモノレールで第1ターミナルへ行く。
 久しく第1ターミナルへは立ち寄っていなかったからだ。
 モノレールが着いてドアが開いた瞬間、すごく昔くさいというか、どぶ臭かった。
 改札を出ると、なんとなく懐かしい。
 そりゃそうだ。
 第2ターミナルができるまでは毎回ここを使っていたんだから。
 ここも1周して終わり。
 時間があるので連絡通路を歩いて第2ターミナルへ。

 第2ターミナル到着出口の前のART CAFEで立ち食いでポークカレーを食べる。
 いつの間にか700円に値上がりしていた。
 でもここのカレーは万人向けの味がして美味い。

a129fbed.jpg  あとは読書。到着階の奥の方の椅子でずっと「ICO」を読んでいた。このあたりはあまり人で混みあっていないのだ。あとちょっとで読み終わるというところで、妻が着いたと電話をよこした。
 こうして、旅行は終わった。
 帰り際に羽田空港で買った大船軒のサンドイッチ。家に帰ってから食べたがなかなか美味しかった。ハムサンドという本来あるべき姿に徹したシンプルさがいい(もちろん崎陽軒のシウマイ弁当も買った)。

 出張の時にはあまり感じないのだが、「あぁ、やっと家に帰ってきた」という強い安堵感に襲われた。それほど今回の旅行のメンバーは私にとってストレスだったのだろう。
 私は交響曲「帰国」を聴きたくなった。

 外山雄三(Toyama Yuzo 1931- 東京)の交響曲「帰国」(交響曲第1番。1965-66/改訂'78)。
 4つの楽章からなるこの作品は、彼の「ラプソディー」と同様、これでもかというほど露骨に日本民謡が使われている。あいづばんだいさんはぁ~とか、聴いていてちょいと恥らってとまどう私。
 あぁ、ニッポン!

 CDは外山雄三指揮東京都響によるものを。
 2000年ライヴ。フォンテック。