前にも書いたことがあると思うが、私は雪かきをしているとき、ときどきソルジェニーツィンの小説「イワン・デニーソヴィチの一日」の内容を思い出す。
極寒の刑務所に収容されているイワン・デニーソヴィチの1日を描いたものだが(タイトル以上の説明にまったくなっていなくて、申し訳ない)、冷たい長靴や凍りついた手袋、それを身につけての外での労働……それが雪かき作業と重なるのだ。全然レベルは違うけど……(なお、ここ数日はほとんど雪が降らず、雪かき作業から解放されている)。
そんなわけで、ソヴィエトもの。
ショスタコーヴィチ(Dmitry Shostakovich 1906-75 ソヴィエト)のバラード「ステパン・ラージンの処刑(The Execution of Stepan Razin)」Op.119(1964)。オーケストラと合唱、バス独唱のための作品で、詞はエフトゥシェンコ。
ヴォルコフの「ショスタコーヴィチの証言」のなかで、ショスタコはこう話している(ことになっている)。
(ムソルグスキイの)「ホヴァンシチナ」からは、交響曲第13番と「ステパン・ラージンの処刑」になにかが受け継がれている。
交響曲第13番「バービ・ヤール」(1962)の詞もエフトゥシェンコによるもので、ショスタコの「ステパン・ラージンの処刑」は第13番のあとに書かれた。
音楽も交響曲第13番と同じ雰囲気のもので、第13交響曲が兄だとしたら、これは弟みたいな存在と言える。バービの弟はステパン……
ステパン・ラージン(1630-1671)は、貴族たちに対する農民たちの抵抗運動を指揮した人物。モスクワに連行されたあと、赤の広場で処刑された。
彼の名前は、ロシア民謡の「ステンカ・ラージン」でご存知の方も多いだろう(ステンカはステパンの愛称・卑称だそうだ)。
民謡の「ステンカ・ラージン」は楽譜を載せた曲だが(これは北川剛編「ロシヤ民謡アルバム 」(音楽之友社)より転載)、ショスタコのバラードの方の歌詞は、バイカル湖の西部ブラーツクに建設された巨大な水力発電所の完成のときにエフトゥシェンコが書いた長編叙事詩「ブラーツク水力発電所」の一章「ステパン・ラージンの処刑」からとられており、体制批判の内容となっている(今日のブログタイトルは歌詞の一節)。
しかし、交響曲第13番が初演後すぐに当局からの圧力で歌詞改編がなされたのに対し、こちらの方はそういったことは起こらなかった。とはいえ、当時かなり睨まれたことは容易に推察できる。
CDはケーゲル指揮、ライプツィヒ放送交響楽団、ライプツィヒ放送合唱団、バス独唱フォーゲルのものを。1967年録音(原盤フィリップス)。
そうそうCDが手に入る曲ではないが、うれしいことにタワーレコードのヴィンテージ・コレクションの1枚としてリリースされた。
また、このCDにはドゥリアン指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による交響曲第12番も収められている(こちらは原盤デッカ)。
ドゥリアンという指揮者について、私は初めて名前を知ったが、1922年エルサレム生まれで、2011年に亡くなったという。
ドゥリアンの第12番の演奏は、力で強引に押してくる類のものではなく、かといって腑抜けた感じでも斜に構えた感じのものでもなく、作品に真摯に向かった中庸的もの。
しかし、全編にわたってほんわかとした温かみが感じられる。
上にあげたCDの写真は、実は解説の裏表紙にのもの。
実際には下のがメインのジャケット写真である。
Oh!エイドリァ~ン!(独り言です)
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クラシック音楽、バラ、そして60歳代の平凡ながらもちょっぴり刺激的な日々について、「読後充実度 84ppm のお話」と「新・読後充実度 84ppm のお話」の2つのサイトで北海道江別市から発信している日記的ブログ。どの記事も内容の薄さと乏しさという点ではひそかに自信あり。
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© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
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