フランク(Cesar Franck 1822-90 ベルギー→フランス)の「交響曲ニ短調」(1886-88)は、フランスで生まれた交響曲の中でも代表的な作品である。
しかしながら、フランスっぽくない。
実にドイツ音楽っぽい。
それは、フランスで活躍したためにフランスの作曲家と言われることはあっても、フランクの生まれはベルギーであり、また、もともとドイツ系の家系だったためだろう。また、ドイツ・ロマン派やリスト、ワーグナーから強い影響を受けたのであった。
交響曲ニ短調はお世辞にも明るい調子の音楽とは言えない。そして、親しみやすい曲だと言うと、それは詐欺行為に等しい。
しかも、「交響曲第〇番」ではなく「交響曲ニ短調」という名称が、慣れない者にとってはヘンテコなものとして目に映るし、人を拒絶するような威圧感さえある。
そして、楽章は3つしかない。
伝統的な流れからすると、これまた中途半端な奇異な印象を受ける。
でも、何度か聴いているうちに鑑賞レパートリーからはずせなくなる魅力がある。
ドイツ的なことと直接関係ないかもしれないが、この曲の第2楽章(この楽章がいちばん有名)が始まってすぐに始まるコーラングレ(イングリッシュ・ホルン)による美しいメロディー。その途中からコーラングレを支えるように入ってくるヴィオラによる対旋律は、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」第2楽章の歌い出しのメロディによく似ている。
この作品、私はこれまでジュリーニやミュンシュの演奏を聴いていたが、いつも「もうちょっとずっしり、がっちりしたのはないもんかのぅ」と思っていた。
そこで最近目をつけて購入したのが、最近の指揮者じゃ全然ないが、この1年ほどでけっこう好きになったクレンペラーのCD。
そして、うん、なかなか当たりだった!
CDのくせして30分程度のこの作品1曲しか入っていないという贅沢盤、というよりは、はっきり言って超不経済盤。HQCD(ハイ・クオリティCD)だが……
非常に堂々としていて、陽気になれないこの曲を実に厳しくやってのけてくれている。クレンペラーの写真に見られるあの厳格な表情が目に浮かぶ(実際にはけっこうな変態おやじだったんふだけど)。そして、そんな厳しさの中にほっとするような温かみが見え隠れするところがうるっと来ちゃう。
こういう演奏があってるね、この曲には。
オーケストラはニュー・フィルハーモニア管弦楽団。
1966録音。EMI。
昨日はこんなメールが来た。
住田真帆さんより新着メールです。
大学院で遺伝子の研究をしています。理系なのでまわりは男性ばかりなんですけど、それでもモテません。...(続く)
だからなんだっていうの?
黙って顕微鏡で染色体の観察してたら?
率直(フランク)に言いいますが、遺伝子を前面に打ち出してくるあたりに、真帆さんがモテないワケがあるように思います。

フランクのシンフォニーは、なぜか何種類も聴き比べたいって思いにならない曲ですよね。少なくとも私はそうで、自分でも不思議です。クレンペラーの演奏、正直、期待以上で驚きました。最近になってマーラーなどクレンペラーを何種類か聴いていますが、食わず嫌いしないでもっと前から聴いておけばよかったと思っています。
顕微鏡、実は自分でも欲しいなと思っています。安いのでいいから……