昨日のブログ記事ではドイツ風なんて言葉を書いた。
 そんでもって、なぜか今日は狩人風。

 カチャトーリャ(カチャトーラ)というのは肉のトマト煮の総称らしいが、その意味はイタリア語で“狩人風(alla Cacciatora)”。
 肉はなんでもOKらしいが、鶏肉を使うことが多いようだ。
 鶏と狩人っていうのは、なんだか関係が希薄な感じがするけど。

 私が小学校5年以降の多感な年代を過ごした札幌の西野。その伸び行く街の象徴的存在だった商業ビルの“カスタムパルコ”。
 このビルの地下飲食店街に“レストラン ニュー銀座”という店があった。

 そこのスパゲティ・ミートソースと“ポークステーキ ニュー銀座風”がとても美味しかった記憶があるが、メニューのなかに“スパゲティー・カチャトーリャ”というのもあった。
 鶏肉をトマトソースで煮込んだものが、鉄板の上でジュージュー叫んでいる炒められたスパゲティにかけられた料理だった。
 
f7889fd6.jpg  そんなことを思い出しながら、今日はハチャトゥリアン(Aram Il'ich Khachaturian 1903-78 ソヴィエト)の交響曲第1番ホ短調(1934-35)。ハチャトゥリアンが大学から大学院に進む際に書いた卒業作品であり、アルメニアのソヴィエト連邦加入15周年記念の意味を込めている。

 この作品についても以前取り上げており、そのとき紹介した演奏はガウクの指揮によるものだった。 
 でも、今回はもっともっと新しい録音を(とはいえ、もう20年前)。

 さて、ショスタコーヴィチ(Dmitry Shostakovich 1906-75 ソヴィエト)が卒業作品として書いたのも交響曲だった。
 ハチャトゥリアンのよりも10年前に書かれたショスタコの交響曲第1番ヘ短調Op.10(1924-25)は、軽妙で洒落た新時代を予感させるヨーロッパ的音楽であったのに対し、ハチャトゥリアンの交響曲第1番は民族臭がぷんぷんするものだ。
 アルメニア音楽において最初の交響曲となったこの作品、すっごくアルメニア臭いのだ(行ったことも知り合いもいないのであくまでイメージ)。

 初演は好評でその後も演奏される機会があったが、現在ではあまり聴かれることはない。
 卒業作品ということで、まだまだ作りが甘いってことだろうが、やはり臭いがきついっていうのがあるのかも。ただ、ここまで忘れ去られるのは気の毒。第2楽章の美しさはかなりイケてるし、第3番よりずっとまともに思える(ハチャトゥリアンの3曲の交響曲のなかでは第2番が突出してすばらしい)。

 今日はチェクナヴォリアン指揮アルメニア・フィルの演奏を。
 「ガイーヌ」でなかなか素晴らしい演奏をしてくれた彼だが、この演奏もむせ返るほど臭くなく、かといってやっぱり民族色濃厚で楽しめる。
 変態チックな交響曲第3番とのカップリング。
 1993頃の録音。ASV。

 スパゲティ・カチャトーリャは私も自分で作ることがある。
 といっても、薄切りにした鶏肉を炒め、そこに市販のミートソースを入れるだけ。
 本来の作り方なら鶏肉のほかにタマネギやピーマンも炒めトマトソースを加えて味を整えるものだが、それだと単品料理ならいいがパスタソースとしては物足りない(私には)。そして何より面倒だ。
 市販のミートソースはひき肉の量が少ないから、このように鶏肉を加えるとパスタのソースにはちょうど良くなるって寸法だ。
 ぜひ狩人の味をお試しあれ。

 さて、“レストラン ニュー銀座”はもともとは留萌に本家があったそうだ。西野の店は現在“シェみながわ”の名で、西野二股近くに移転した。
 ただし、2年ほど前に行ったときには“スパゲティ・カチャトーリャ”も“ニュー銀座風”の味付けのポークステーキもメニューにはなかった(2023年記:現在は閉店)。