“クラシックソムリエ検定”っつーのができたそうで、テキストも発売されたという。詳しく調べてみると、受検申し込みももう始まっていた。
第1回目となる今回の試験は“エントリークラス”で、「クラシックの代表的な作曲家の名前と代表作は一通り知っている。歴史上著名な演奏家についての知識もある」っていうレベルだ。
ほほぅ~。世間一般の感覚からするとオタクっぽいが面白い。
はっきり言ってしまうが、私は絶対に受かる自信がある。鼻歌を歌いながら、さらさらさらさらぽぽいのポイッ!と問題を解けるに違いない(試験官に怒られるだろうけど)。
テキストっていくらなんだろ?……2,000円?
高いねぇ。こんなもんかなぁ。なんかのスコア買った方がいいような。
テキストなしでも大丈夫だろうけど、ネットに載っている試験要項には「クラシックソムリエ検定公式テキスト」から8割が出題されるとある。となると、買わないと不利であることは明らかだ。つまり、テキストはお買いあそばせって戦略だな。
しかたない、買ってみるか(って甘く見てたら、すでに品薄らしい)。
検定料はいくらなのかな?……早割りで4,200円?
なんじゃい、早割って?ANAのパクリか?
5月中に申し込めば早割りが適用され、それ以降は、4,800円になるそうだ。
受検料にもこういうのってあるんだねぇ。にしても、どっちにしろ高くない?
おや?下の方に何か書かれている。
“特典”があるようだ。
実施回ごとに記念品をご用意しております。
また、受検者は成績にかかわらず全員クラシックソムリエ協会の各種会員として、会員限定のクラシックソムリエ講演会・交流会への参加、コンサートへの優先参加、オリジナルグッズプレゼントなど、多数の特典を受けられます。
特典の詳細や各回記念品については、公式HP等で発表いたします。
つーことは、検定料は記念品代も含んでいるわけね。オリジナル・クリアホルダーとかシャープペンとかいただけるのかしら?
うひょ~、わくわく。
……いいえ。
ワタシ、そんな記念品もいらないし、会員に入れてもらわなくてもいいけど、日ごろこんなふうに音楽のことを書いているんだから、“箔”をつけるには、あるいは「偉そうなことを書いてるくせに、クラシックソムリエじゃないんだってよ」と誹謗されないためにも、合格しておくべきような気持になってきた。それはもう強迫観念に近い。
合格した暁には、ブログのタイトルも「クラシックソムリエMUUSANが綴る 読後充実度 84ppm のお話」と変えた方がいいかな?
いや、それじゃあ明らかに自慢しているようで(こういうことをする奴は、間違いなくそういう意図があるのだが)感じが悪い。
私のような謙虚な人間にはそんなことはできない。百歩譲って、毎回どこかにさりげなくCSと刻印的に書き込むっていうことも考えられるが、カレーショップがやっているブログだと勘違いされては不本意だ。
こんなふうに愚かしい妄想をいいだけ膨らませていたが、受検日時と場所を見ると9月30日、東京都内の大学、と書いてあった。
行きません、行けません、行くわけありません。受検のためにわざわざ東京には。
ということで、あっさりと心は無に。
もっとも、最初から思ったことは、このクラシックソムリエの検定に受かったからといっていったい何になるのかってこと。
どうも、何にもならない感じがする。資格じゃないわけだから。
敷居が高いと思われているクラシック音楽をもっと楽しもうっていう狙いのようだが、一歩間違えれば逆効果になっちゃうんじゃないかな。
受検しようと思ったことは確かだが、もし私が受かったとしても自分に箔がつくなんって思っていない(上に書いたことはあくまで冗談)。
って、なんとなくそういうのを引きずっているわけじゃないが、今日はマイナーな作品。
ほとんど聴かれることがないと言ってもいいほどだが、あの辛口音楽評論家、H.C.ショーンバーグが絶賛している交響曲がある。
初期の交響曲中でも第X番は、ほとんど傑作の域に及んでいる。特に第1楽章が見事である。この作品は1873年に作られたが、彼の力強い管弦楽法が十分発揮されている。あの軽快な音、輝かしいホルンの音色、1つ1つの音符をピッタリの場所に配置する本能といったものが、既に皆現れている。(「大作曲家の生涯」:共同通信社)
さて、Xに入る数字は何でしょう?作曲者は誰でしょう?
そんなのいきなり言われたってわからないですよね?
それにもしズバっと答えられると、この私もちょっぴりいじけちゃうし…… ドヴォルザーク(Antonin Dvorak 1841-1904 チェコ)の交響曲第3番変ホ長調Op.10,B.34(1873)のことである。
ドヴォルザークの曲はどれも信じられないほど病的な要素が無いが、この曲はとりわけ天真爛漫、健康的。曲が始まった瞬間に、「うぉ、高血圧改善!」ってみたいな感覚に襲われる。
もちろん、ただアッパラパーと陽気なだけではない。悲しげな表情ももちろん見せる。そこはほれ、メリハリってやつだ。しかしそれだって、「いま泣いたカラスがもう笑った」って具合に、悲しい涙だってあっという間に蒸発してしまう。
なお、「いま泣いたカラスがもう笑った」というのは、小学校の時の先生が、泣いている子を慰めるときに言っていたワケのわからん呪文である。でも、泣かされていた子が、先生のこの呪文によって、ヘヘヘと笑いに転じた例を私は何度も目撃した。素直なお子さんが多かったのだ、私の周辺には。
作曲当時、ドヴォルザークは結婚を目前に控えていたが、そのことも音楽に反映しているのだろう。幸福感に満ちすぎている。
ドヴォルザークがこの交響曲をオーストリア政府の奨学生の応募に出したところ、'75年から奨学金をもらえることになった。そのように当時はお墨付きをもらった曲だったのだが、なぜか今はほとんど忘れ去られている。
彼の交響曲では唯一、4楽章構成ではなく3楽章から成るが、美しく、ときに素朴なメロディーが惜しげもなく披露されていく。後期の交響曲と比較すると未熟な感じが確かにするが、ドヴォルザークという作曲家の魅力がすでにあふれんばかりだ。
その未熟感とアクの無さすぎが、逆に欠点となっているのかもしれない。
私が持っているCDはノイマン指揮チェコ・フィルによる演奏のもの。
でも、もっと良い演奏があるに違いない。この演奏を聴くと、何となくそういう気がする。
1973録音。DENON(スプラフォン)。
そういえば、ずいぶんと前に受検して合格した「ビジネス・キャリア制度」の人事系の中級資格(認定?)。
まったく何の役にも立たないまま、その制度の名前すら聞かなくなった。これは国が進めていたものなのに……
やれやれだ。
新館入口(2014.6.22~)
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